神の子どもたちはみな踊る [DVD]
まず、この原作を映画化しようとする意外性に、興味を持ちました。原作を読みはしたものの、連作としての印象は残っていましたが、単作としては正直特に記憶に残っていなかったからです。
果たしてその内容は、原作同様に、暗示的で、抽象的で、観念的で、間接的。少なくとも、ストーリーを楽しむといった種類の映画ではありません。しかし、だからといって退屈というわけでもなく、むしろそこが「映画らしい」とも言えます。
映像が綺麗です。というか、印象的かつ幻想的です。何となく、プログレッシヴ・ロックの巨匠、ピンク・フロイドを起想させます。
村上作品の映像化であるとともにもう一つの大きなポイントは、海外作品であることでしょう。いわゆる映像の「逆輸入」です。キャスティングは東洋人(日本人ではない)で舞台はアメリカです。まさしく「外からの目線」で村上作品を解釈している点が新鮮です。
「ノルウェイの森」は、原作が長編だったため映像化にあたっては相当端折らざるを得ず(しかも「突撃隊」などの重要なファクターを)、原作のニュアンスや世界観を完全に表現できたとは言い難かったと私は思っています。それに比べて本作は、原作が短編だったこともあり、「ノルウェイ」の比べれば(あくまで「比較的」です)、原作を忠実に映像化できたと言えると思います。
それにしても、村上春樹氏の作品を映像化するというのは相当なチャレンジなのだと、改めて感じました。ストーリーをなぞれば良いというわけにはいきません。作品の、文字にならない「根底」を映像化しなければ、まったく意味のない作業になってしまいます。それにチャレンジするのは勇気のいることです。
原作は、阪神・淡路大震災を共通項とした連作小説集でした。映画の中でも大震災がエピソードとして挿入されています。DVD発売の「タイミング」に、不思議な偶然を感じます。
Piano Sonatas 1-32
ケンプはバックハウスとともにドイツが生んだ偉大な伝説的なピアニストである。戦前はバックハウスが無双の技巧派としてブラームス、ショパン演奏家として名を馳せたのに対して、ケンプは録音史上黎明期からベートーヴェン演奏家として知られていた。
おそらくケンプ以上にベートーヴェンのピアノソナタを長年にわたって録音し続けたピアニストはいないであろう。戦前のSP録音時代でも1920年台前半のアクースティック録音から夥しいソナタを繰り返し録音して音楽愛好家を楽しませてくれたのである。
戦後LP(モノラル)時代には、バックハウスとケンプの全集がピアノソナタの全曲録音として一般に入手できるすべてであった。そしてバックハウスの技巧的で重厚な演奏とケンプの素朴で人間味溢れる演奏は対照的な演奏として、これほど多くのファンの議論を呼んだものはなかった。また、ケンプは大の日本ファンであり、戦後幾度も来日して多くのファンを魅了してくれたピアニストでもあった。
ケンプの演奏は技巧的な華やかさはなく朴訥でさえあるが、邪心がなくこの上なく素朴で純粋で、多くのピアニストに見られる聴いてくれよがしなところが全くない。穢れた心を清めてくれるような神聖な音楽で、これほど心が落ち着く味わい深い演奏はないであろう。このような時代を超越した名演が次第に顧みられなくなることは悲しいことだと思う。バックハウスの全集とともに愛聴したい全集だ。
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配送が早くてよかったです。
一筆あったのも一寸嬉しい配慮でした。
蛇皮の財布をデザインと値段で探していたので、安いのが見つかり満足しています。
また3000円以上で送料無料キャンペーン期間中だったのも良かったです。
また是非利用したいと思います。
The Giving Tree
こんな気持ち感じた事のある人はとても幸せ。愛されるのもいいけれど、誰かを愛せれることはとても幸せ。最近出産し、母に対するありがとうという思いと、わが子への思いでいっぱいになりました。
1Q84 BOOK1〈4月‐6月〉前編 (新潮文庫)
私は村上春樹の作品の愛好者というわけではないが、彼の長編小説は大体読んでいる。特にここ数年の彼の国内外での名声の高まりは尋常ではなく、彼の作品を読まずして文学を語ることができないような空気ができつつある。アマゾンで7%割引のセールをしていたので、この機会に購入した。この作品も他の彼の作品同様、謎めいた、スリリングな物語展開になっているし、文体も平易でエンターテイメント小説的な要素が極めて強い。物語の先を読みたいがために、ついついページを繰ってしまう。読者にこのような気持ちを催させるという点では、間違いなく村上春樹は天才的な能力を有した作家だと思う。この点については素直に評価したい。
このBook1はこの長編の書き出しにあたるが、無難な出来である。ヤナーチェクの音楽、1984年という時代設定、青豆と天吾という影のある、しかしながら魅力的な主人公達、そしてオウムを彷彿とさせる新興宗教など、様々な要素が示され、今後物語は複雑に展開されるのだろう。