リード!リード!!リード!!!
CDを購入する前に収録されている曲目を見て、期待と各曲に携わった時の想いなどが
ありこのCDを購入するきっかけになった。
しかし、購入しいざ演奏を聴くと、期待と裏腹な感じを受けた。
演奏の度量や曲への追求心は十分伝わるのだが、何かが足りない。
たぶん、当時学生だった自分が演奏した時のモデル演奏とのギャップなのかもしれない。
それが頭の中で美化されて記憶に残り、その記憶との比較でそんな想いを募らせたかもしれない。
いずれにせよ、自分は十分満足したとは言えなかったのは事実。指揮者や演奏者の年代は
自分とそんなに違わないのに、演奏スタイルがここまでギャップがある事に驚きだけが残った。
アルメニアン・ダンス[全曲]
今日本で最も勢いのある吹奏楽団、シエナ・ウインド・オーケストラによる『アルメニアン・ダンス』全集です。パート1とパート2(3曲)に加え、『アウェイデイ』で有名な作曲家アダム・ゴーブの『メトロポリス』が収録されています。
シエナの演奏が如何に洗練された素晴らしいものかは皆様もご存知の通りかと思います。吹奏楽曲の中でも知名度が抜群に高く、かつ高度なテクニックを要求される事で知られるA.リードの『アルメニアン・ダンス』は、シエナの実力と勢いを感じる演奏となっています。ライヴ録音の為か、千葉県の人様のレビューにある通り「ちょっと吹きすぎ」という印象も受けるため星4つとさせていただきました。しかし、それさえも魅力と感じてしまう様な、まさにリードの作風を余す所無く表現しきった名演奏と感じています。
また、メインの『アルメニアン・ダンス』に隠れていますが、A.ゴーブの『メトロポリス』も卓抜した演奏技術が光っており、15分超の演奏にすっかり聴き入ってしまいました。物語性豊かな『アルメニアン・ダンス』とは対を成し、どこか不気味な雰囲気さえ感じる作品ですが、シエナの団員皆さんの確固たる技術に支えられた各パーツがどんどん組み合わさってゆき、ダイナミクス豊かな一つの曲に完成していく様に思わずぞくぞくしました。
シエナのCDでは『ブラスの祭典』などでも『アルメニアン・ダンス』を聴くことができますが、パート1から2まで一気に揃えられる上に、佐渡裕さんの振る『アルメニアン・ダンス』を全曲通して味わえる事から、迷うこと無くオススメする一枚に挙げられます。