天使の耳 (講談社文庫)
交通事故がらみの事件の短編集。ずばり、運転するのが怖くなる。私だって、このぐらいの信号無視、駐車違反、・・・したことあるよな~。これは、特殊なケース。しかし、決して起こらないとは言えない過失事故だ。どの話も終末が一ひねりしてある。おもしろうて、やがて胸にぐさっと杭を打たれるような、東野圭吾の手腕を感じる一冊だ。
祭りの場・ギヤマン ビードロ (講談社文芸文庫)
被爆の痛みを知らず、また、忘れ、日々を安らかに生きる私たちにとって、
林京子の徹底した“傷を負った者”側からの描写はあまりにも痛くて重い。
まるで「被爆について、誰もがあまりにも無知に日々を過ごしすぎる」と言ってるように感じられる。
または「被爆者が精神的にも肉体的にも深く負った傷を、自分のものとして受け入れることが、現代に生きるすべての人間に課された宿命である」とでも言うように。
『「どこの女学生さんじゃろか。可哀そうか。」…
洋子は死んでいた…膝を抱いたまま、死んでいた。
女の一人が「かわいそうに、ハエのたかって」と横顔に群がるハエを、手で払った。…
太陽に向って飛んで行くハエを見おくりながら、洋子は死んでしまった、と若子は思い、
「だけど、あたしには関係ない」とつぶやいて、山を降りていった。』(「祭りの場」の連作のなかの「二人の墓標」より)
いま、中高生に課題図書として、この作品を薦めるべきだろうか?
“作り物”の痛みの描写と、安っぽい共感しか得られないライトノベルしか読んだことがなく、
恋愛とか「自分が興味のある身近な痛み」だけを軽く受け入れて、
原子爆弾による想像を超えた痛みについては、自分の日常に直接的に関係ないというだけで無関心を装うというような
隙間だらけの感受性ですべてを語ろうとする勘違いした中高生やその親にいきなりこの本を読ませることに、異論もあるかもしれない。
でも、この本の物語は、60数年前に実在した女子中学生の、率直な心から生まれたことを忘れないでほしい。
血が流れ、肉をえぐるありのままの描写を、何も知らない子どもの眼前に突きつけることは、非難されるべきではない。
私たちは、現実を隠し、目をそらさせて、綺麗ごとのみで覆い包む行為こそ責めるべきだ。
特撮ヒロイン・ファンタジー主題歌・挿入歌大全集
曲目リストが無記入のようなので、こちらに収録全作品を記載。
「どきんちょ!ネムリン」
「おもいっきり探偵団 覇悪怒組」
「じゃあまん探偵団 魔隣組」
「有言実行三姉妹シュシュトリアン」
「魔法少女ちゅうかなぱいぱい!」
「魔法少女ちゅうかないぱねま!」
「美少女仮面ポワトリン」
「不思議少女 ナイルなトトメス」
「うたう!大龍宮城」
「ペットントン」
「勝手に!カミタマン」
以上の作品の主題歌・挿入歌が収録されています。
特に「うたう!大龍宮城」は全19曲と、劇中に使用された楽曲が
ほぼ全て入っているのはスゴイ!!
DISC3枚組と大ボリュームなので、好きな人には涙モノの一枚。