私の好きな曲―吉田秀和コレクション (ちくま文庫)
ほぼ20年ぶりの再読。新潮文庫版を何度ひもといたことか。
改めて読んでみても、初読の感動が甦ってくる。冒頭のベートーヴェンのカルテットとピアノソナタで感極まってしまった。シューベルトの『グレイト』の章では、楽音が耳に鳴り出す。
そして必ず気に入りのディスクを架けて、吉田の文章を読み返してしまう。何度でも読みたくなる。
モーツァルトのクラリネット協奏曲での「かわいそうなブラームス」という痺れる文句。
ストラヴィンスキーでの叶わぬ初恋(?)記の上手さ。
音楽を叙述してこれ以上の文章は皆無なのではないか。吉田独特(と当時は思われた)の「かしら」という文末。見事である。
モーツァルト生誕250年記念 エターナル:モーツァルト
これだけの楽曲が満載しているのに、この価格は大変お得ですね。
モーツァルトの入門編として考えても、いろいろなクラシックのジャンルが聞けてとても楽しいです。
私は、これを聞いていたら、どうしても後期の3大交響曲をすべて堪能したくなる衝動にかられました。