宇宙海賊キャプテンハーロック VOL.4<完>【DVD】
『宇宙海賊キャプテンハーロック』ついに最終巻であります。
マゾーンとの最終決戦、戦いのさなかにも心を失わない誇り高きアルカディア号乗組員たちの姿、そしてサイドを彩るキャラクターたちとの決別が描かれ、物語はいくつかの謎を投げかけて幕を閉じます。
ではお約束のエピソード紹介に、よーそろー!
第37話「赤いセーターの涙」 マゾーンのスパイという、正体を見破られてしまった波野静香。ついにラフレシアからも見放されてしまう。
自らの存在意義を失い、敵であるハーロックを愛してしまった静香は、ただ静かに赤いセーターを編む。
そこに秘めた彼女の想いは・・・。
第38話「さらば!まゆ」 マゾーン中央艦隊が、ついに地球に迫る。
間一髪でまゆと切田長官を救ったハーロックは、まゆをアルカディア号の中央コンピューター室に連れて行く。
父と娘の、思わぬ形での再会。それはまた永遠の別れをも意味していた。
第39話「壮絶!長官死す」 アルカディア号を急襲する、マゾーンの白兵戦士たち。
数々の恩讐を越え、ハーロックの生き様に共感した切田は、アルカディア号を自らの死に場所と決める。
男・切田の壮絶な最期に目を見張れ!
第40話「その時天使は笑った」 誤ってマゾーンの民間船を破損させてしまうアルカディア号。
ハーロックたちは、同じ命をもつ者として、負傷したマゾーン市民の妊婦の出産を助ける。
ラフレシアは全艦に攻撃命令を出すが、その時、市民船団がとった行動は・・・。
第41話「決闘!女王対ハーロック」 ついに姿を現したマゾーンの旗艦船・ドクラス。
地球への移住を強行しようとする女王と、宇宙の無法者。宿命の対決、そして意外なラフレシアの正体が!?
第42話「さらば宇宙の無法者」(終) マゾーンとの戦いは終わった。しかし、物語は終わらない。
台羽正の、有紀螢の、まゆの、マゾーンのキャラバンの新たな旅がここから始まる。
男たちは明日を創るため、宇宙と大地に別れる。
さらばアルカディア号、さらば自由の海賊旗、さらば宇宙の無法者・・・!
やはり最後は、シリーズ総監督を務めた、りん・たろう氏について語らせて下さい。
本作・テレビ版『宇宙海賊キャプテンハーロック』がいまだに一部のファンから根強く支持されているのは、作品全編を貫く「美学」ともいえるものがあるからです。例えば、宇宙空間なのに、なぜかはためいているドクロの旗。ハーロックの船室では、大航海時代の帆船のように、ギギ〜・・・と、木のきしむ音が響きます。リアリズムとは一線を隔すかのようなこの演出が、じつはこのドラマの「ロマン」をかきたてているのです。
りん・たろう監督は、宮崎駿や富野由悠季のような「作家性」のアニメ監督ではありません。本人も「僕は職業人なんです」と言っています。しかし、りん氏は、単なる職人監督とは違った「りん・たろう美学」ともいえる、ひとつのスタイルを確立した偉大なアニメ監督だと筆者は思っております。
「リアリティとリアリズムは違う」― 写実的に描けばいいというものではない。単純でもいいから、説得力を持たせる事が大事、とりん氏は言います。「ハーロック」というドラマが描こうとしたのは、宇宙物理学のような考証ごとではなく、宇宙というのは、人が生きる人生の舞台を象徴しているもの・・・そう捉えたのが「ハーロック」の世界観だと筆者は思います。人の心を打つのは、リクツや学問ではありません。それに人が賭けた思いの熱さ、まさに「心」そのものなのだと思うのです。
「僕はロジックなんて語りたくない。語らない体質なんだと思う」と語るりん・たろう監督は、実は知られざる数々の演出技法を編み出してきた監督でもあります。今でこそ、アニメやマンガの剣戟シーンで当たり前のように使われている「真っ暗い画面に閃光が走る」という表現は、『佐武と市捕物控』でりん氏が始めて試みた手法。それは、時間と手間をかけられないテレビアニメの制約のなかで、「斬り合い」をどうすれば表現できるか、苦肉の策として編み出したものでしたが、それを観た実写の映画監督たちが驚いたといいます。『座頭市』や『子連れ狼』シリーズの三隅研次監督は、「人が斬られる時に、真っ暗な中に光だけ走ったりする。あれが実に刺激的でいいのだが、実写ではやりたくてもできない」と激賛し、『佐武と市』で監修を務めた松田定次監督も、後に時代劇を撮ったときにりん氏に「りんちゃん、あのピカッ!って素材を貸してよ」と言ってきたといいます。
また、'80年代のアニメでしきりに使われた「透過光」という技法 ― これはカメラに直接光源を向けて、光そのものを撮影する技法ですが、『ムーミン』の演出をりん氏がしていた時に、星空のきらめきを表現したくて、黒い紙に穴をあけて裏から光を当てて撮影したのが始まりです。そして、その手法は『ハーロック』の中で「光の中に立つハーロック」という「BG全面透過光」へと発展し、その後あまたのアニメの中で、レーザー光線などを表現する技法として多用されていく事になります。また、爆発などのシーンで、白や黒のコマを1コマだけ挿入して、フラッシュバックのような効果を出したのも、りん氏が最初だと聞き及びます。『カムイの剣』で、忍者が疾走するバックにバリ島の民族音楽「ケチャ」をかけた斬新な手法は、大友克洋氏が『アキラ』でバイクの疾走シーンに引用していました。
りん・たろう監督がそのキャリアの中で生み出してきた演出手法は、そのルーツが誰だったのかも知られることなく、若い世代に受け継がれているものがあまりにもたくさんあります。それはひとえに氏が「職人監督」として一途に仕事に邁進してきたことの証でもあり、一方で氏の功績があまり知られていない事は、ファンとして歯がゆいものがあります。
本作『宇宙海賊キャプテンハーロック』の今回の発売が、オールドファンのみならず、若い世代のクリエイターの方々にも観て頂く機会になり、りん氏の功績の再評価にもつながれば、と思い、全4回に及んだ「ハーロックレビュー」、いま万感の思いを込めここに筆を置きたいと思います。
秋元康 アートのすすめ 29人のゲストとめぐる美術館の楽しみ方
もう少しくらいアートに関して深い話を書いてるのかと期待していましたが、
そういうことは美術館に実際足を運んでみなさいと言わんばかりの紹介程度でした。
言い換えれば、この本を読めば、美術館に行きたくなる本であり、
「アートのすすめ」というコンセプトとしては的確です。
宣伝本ではありながら、石橋貴明、大島優子、篠田麻里子、岩崎夏海をはじめ、
秋元康と縁のある豪華ゲストとの美術館デートで、それぞれの立場とアートをリンクさせてる点は面白かったです。
宇宙海賊キャプテンハーロック VOL.2【DVD】
『キャプテンハーロック』VOL.1に収録された第1クールは、主に台羽正の成長が描かれていましたが、このVOL.2収録の第2クールでは、アルカディア号の乗組員たちの個々のドラマが描かれます。「彼らはなぜアルカディア号に乗ったのか?そして彼らが地球に残してきたものは・・・」今回の、全4巻という構成での発売であらためて気づかされるのは、全体のシリーズ構成が、明確なコンセプトを持って創られていた、という事です。
VOL.3と4の第3、第4クールでは何が視えてくるのか今から楽しみですが、まずはこのVOL.2の見どころエピソードをご紹介。
『ハーロック』は、アニメの企画が先に立った作品だったそうです。最初から青年誌的なものを目指したため、漫画も「プレイコミック」に連載されましたが、アニメ版では特にこの「第2クール」のエピソードに、そうした特色=「大人のドラマ」が強く現れているように思えます。
アルカディア号クルーたちが背負った、哀しい物語とは・・・
第13話「死の海の魔城」 劇場版としても公開されたエピソード。アルカディア号は“意思”を持った船だという事が暗示される。
第14話「スフィンクスの墓標」 憎っくき敵だと思っていた切田長官。しかし彼には秘めたる過去があった・・・。
切田の、キャラクターとしての魅力が見え始めます。
第16話「螢、わかれうた」 有紀螢は、彼女の父を裏切ったかつての恋人と再会する。その哀しい恋の結末は・・・。
降りしきる真っ赤な雪、津軽三味線を胸に抱き、夕日に髪なびく和服の螢のシルエット・・・
ATG映画を思わせるような画面づくりで女の情念を見事に描く、シリーズ屈指の名演出が光るエピソード。
「聴いて下さい。わたしの、別れじょんがら節・・・」荒波の彼方から現れる、アルカディア号の雄姿に涙。
第17話「白骨の勇者」 17,18話は、魔地機関長が主役の、これまた哀しい物語。
実は魔地のモデルは松本零士氏らしいので、前後編の豪華エピソードとなったのだろうか。
アルカディア号が遭遇した幽霊船。その中には、魔地機関長のかつての上官であり、妻の仇だった
山中艦長の白骨死体が・・・。魔地の過去に、一体何が?
第18話「魔の幻影戦士」 マゾーンにさらわれ生き別れとなった魔地の娘・ミドリが美しく成長し、いま、魔地の前に現れる。
果たして彼女の真意は!?
第20話「死滅のジュラ星」 ミーメは滅亡した惑星・ジュラの唯一の生き残り。
懐かしい故郷の大地を踏んだミーメに、ジュラ星を滅ぼした敵の意外な正体が明かされる・・・。
第23話「ヤッタラン、プラモ狂の詩」 マゾーンの捕虜となったヤッタラン。なぜかマゾーンは彼にプラモ作りの勝負を挑む。
ヤッタランは勝負のさなか、過ぎ去った初恋と、アルカディア号との出会いを思い出す。
他にも、マゾーンに単身復讐を挑む誇り高き異星人を描いた名篇・「ゴーラム!悲劇の戦士」や、マゾーンの逃亡者カップルをアルカディア号がかくまう「純愛流れ星」など、はっきりいってこの第2クールは甲乙つけがたい名作ぞろいです(っていうか、ほとんど紹介しちゃった感じ)。
ドクターゼロが主役の「ドクター・ゼロとミー」とアルカディア号のおふくろさん的存在の、マスさんの「たった一人の突撃!」が第3クールにこぼれてしまったのが残念ですが、とにかくこのVOL.2もハーロックファンなら迷わず買い!の大変濃い内容なのであります。
さて、ちょっと気が早いようですが、VOL.3はいよいよトチローとエメラーダが登場する、「ハーロックの青春」篇のお目見え。こちらも乞うご期待!
ママへのちょっと早めのラブレター
ドラマ内でこの本が出てきて読まれた時には本当に色々な事を考え、思い出し涙が止まらなくなりました。
私の周りにも辛い思いをしている人がいます。
おせっかいになるかもしれないけど、自分とその子へ2冊買いました。
このドラマ「生まれる。」や本の内容を聞いて、どんな子も親を選んで宿るのだと本気で思いました。
この本を発売してくれて「ありがとう」と言いたいです。