生命保険のウラ側 (朝日新書)
保険のプロが書いた生命保険のウラ側の話が沢山出ています。
これを読むと、保険会社の営業マンがどういう方法で複雑な保険商品を売ろうとしているのか、
業界の実態が垣間見えます。そのカラクリを解いて、保険の買い手の立場にたった意見が、
分かりやすく説明されています。
著者は「掛け捨ての定期保険だけでいい」と述べております。その詳しい理由は、
是非著書を読んで頂きたいのですが、「シンプルで、内容が自分にもよくわかる保険」のみに、
入るべきだというメッセージは非常に明確です。
また、この本はそれだけでは終わらず、医療保険、学資保険、がん保険についても、
著書の保険商品に対する見解が明確に述べられていて、購入する必要 があるのか
どうか分かります。すでに保険に入っている人の見直しの仕方や、保険のセールス撃退法など、
実際に保険会社で長年営業をしていた著者ならではの話も興味深いです。
「これから保険に入ろう」、「学資保険が気になる」、「今の保険を見直したい」と
、何かしら保険について関心のある方が読めば、必ず学びのある保険のとても良い入門書です。
ネットで生保を売ろう!
先日行われた岩瀬さんの講演会の休憩中に、「この本、とても面白いからぜひ買ってください!」と岩瀬さんご本人から唐突に声を掛けられたことをきっかけに、即日買いました。
ハーバード大を卒業した岩瀬さんが、コンサル業界への転職ではなく起業を選択したことに尊敬します。
「ネットライフ生命」のことは創業時からニュースで知っており、2000年〜2010年の間に設立された企業の中で最も成功したモデルだと考えていました。
しかし本書を読むと、開業前は勿論のこと、開業後も大変な苦労をされたのだと感じます。
特に開業直後については、現在私が勤めている教育系ベンチャーと似ている部分が多く、「まるで俺の会社の事を書いているようだ」と共感。
松田公太さんの「すべては一杯のコーヒーから」以来のワクワク感と起業への憧れを抱かせてくれます。
10万人に愛されるブランドを作る!
マーケティングのプロである著者が、ライフネット生命保険株式会社の生い立ちから、「10万人に」(万人とは言わず)愛されるブランドを創り出すチャレンジを丁寧に描いています。 特に面白かったのは、「インターナル・マーケティング」と呼ばれる、創業者の創り出した「会社のデザインやミッション」を、社内に積極的に浸透させ、社員全員にお客様に対してマーケティングの心得を持たせる活動でした。 多様性を重んじ、チャンレンジを怖れず、PDCAサイクルを回し続けるオペレーションに感服しました。正に、「ストーリーとしての競争戦略」実践版と言えると思います。
ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件 (Hitotsubashi Business Review Books)
ライフネット生命社長の常識破りの思考法 ビジネスマンは「旅」と「読書」で学びなさい!
日本の本末転倒な働き方や実態とはかけ離れた顧客第一主義など、
おかしな建て前を見事なまでに指摘し、
そうした建て前に捉われないネット生命保険会社を作った社長の本ですが、
すべてにうんうんうなずいてしまうぐらい、素晴らしい本です。
ぜひ会社員の方、特に幹部クラスや経営陣が読んでいただき、
建て前ばかりの無駄な働き方や会社のあり方を全面的に見直していただきたい。
「日本の常識は正しいのか」というテーマをもとに、
海外との比較を取り入れながら、
日本企業のおかしな実態を次々と指摘している、
第2章が特におもしろい。
ただ旅行術と読書術のところは、
正直なくてもいいかなとも思います。
生命保険のカラクリ (文春新書)
将来への備えは本来は貯蓄でまかなわれるべきものであるが、若くして万が一があったときのために資金を供えるための「時間を買う」という発想を与えてくれることが、この本の最大の気づき。
低金利時代に貯蓄性の機能を求めることは得策ではない、ということも「生保業界はそもそも高リスクの運用に手を出すべきではない」という理由つきで説明されていた。両機能は分かれているべきと思う自分の考えを後押ししてくれた。
ただ、今の保険を解約して即ネット生保に鞍替えするか?となると熟考すべき点も多い。「定期の死亡保険は期間中の保険料の上昇分をならして設定している」のであれば、契約期間の後半に入ってる人は即解約は損ってこと。
業界の構造と、賢い選択をするきっかけを与えてくれる点では良書と思います。