BEST OF
90年代のベストです、正確には80年代末からになりますが、ポリドールから発売されている2枚組のベストとあわせるとエリックの全業績をCD3枚で概観できますから、初心者にはとても便利なCDですし、長いファンにも濃い内容から推薦できます。
スティル・クレイジー [DVD]
作中でビル・ナイが歌うブリティッシュロックがすごくいい。ストーリーも、先が読めるものの、笑えるし感動できるし、おもしろい。何気に俳優陣は豪華だし^^そういえば、シャーロックホームズ(ガイリッチー版)にカワード内務大臣役で出てたハンス・マシソンがいたことにびっくり。ロックが嫌いじゃなければ、おすすめだと思います。ちなみに私はサントラも購入しました^^
ザ・ローリング・ストーンズ〜「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」の聴き方が変わる本
単なる音楽評論家では、こんなローリング・ストーンズは語れない。
今もまだ紛争が続くパレスチナ自治区に、二十回以上足を運び、2002年に著者が発表したのは、「地図にない国からのシュート」。今まで誰も語らなかったパレスチナ代表サッカーチームのドキュメンタリーだった。
今回は、スポーツから音楽へとジャンルは変われど、歴史的な背景、英国文化、民族問題など著者の豊富な知識を織り込み、誰も語らなかったローリング・ストーンズを我々に紹介してくれている。
著者自身が熱狂的なストーンズ・フリークということもあり、実際に80年代、90年代に足を運んだ英国でのレアなライブ・レポートがストーンズの魅力をさらに身近に感じさせてくれる。
個人的に、ストーンズよりもビートルズ、特にジョン・レノンが好きな自分にとって、退屈な本ではないかと思って読み始めたが、随所に、ビートルズとの交流が記述されていたこともあり、飽きることなく最後まで一気に読むことができた。
私のように、ストーンズ・フリークではない方にお勧めなのは、馴染みのない曲名に出くわしたら、すぐにyoutubeで映像を確認することだ。 ちなみに、本書でも語られている69年「オルタモントの悲劇」もyoutubeで発見した。(2010年6月現在)
カリフォルニア州オルタモントのフリーコンサートで「悪魔を憐れむ歌」を演奏するストーンズの映像が始まる。すると、途中で観客と警備にあたっていたヘルズ・エンジェルスが乱闘しはじめるのだ。見かねたミックが、キースに演奏を中止するよう声をかけ、観客に向かってこういう、「ブラザー、シスター、なぜ我々は戦わなきゃいけないんだ」。映像はここで終わるが、その直後、ヘルズ・エンジェルスのメンバーが観客の黒人青年を刃物で殺害してしまう。ラヴ&ピースの象徴して行われてたフリーコンサートで起きた痛ましい事件。当時、青春時代をすごした多くの人々の記憶に刻まれる悲劇となった。本書ではこの「オルタモントの悲劇」の真相にも深く触れている。
読み終わって感じたのは、ストーンズの偉大さ、そして今も現役ロックバンドである奇跡。現役ロックバンドからは新しい楽曲がまた生まれてくるんだもんね。そろそろ、ビートルズファンをやめて、ストーンズファンになろうかな。
極悪レミー 通常版 [DVD]
活動35周年を迎えたモーターヘッドのレミーを捉えたドキュメンタリー映画です。
自宅でのインタビューや地元LAのクラブでゲームに興じる姿も、メタリカとの共演(95年、09年)を
含むライヴ映像もとにかくカッコ良すぎ。今年65歳というのが信じられない位のエネルギーと、さら
に磨きこまれた貫録が充ちてます。驚いたのは、第二次世界大戦時のドイツの駆逐戦車ヘッツァー
(稼動状態の実物!)に搭乗するシーン。彼がWW2のドイツ軍を中心としたミリタリーマニアという
のは知ってましたが戦車兵制服に身を包みキューポラに収まる『レミー戦車長』の姿は似合い過ぎ。
コメントを寄せるゲスト陣もメタリカ勢にオジー御大、アリス・クーパー、スラッシュにスコット・イアン、
デイヴ・ナヴァロにニッキー・シックス、マット・ソーラム、デイヴ・グロール(スタジオでの共演映像も
あり)・・・と豪華すぎる面々。ストレイキャッツのスリム・ジムやクラッシュのミック・ジョーンズも賛辞
を寄せており、レミーが幅広い人々に支持されてきたことが実感できます。他にも貴重なホークウイ
ンド時代のライヴ映像などもあります。
劇中で垣間見える、義理と人情に篤くファンを大事にする姿はまさに『男が惚れる男』。痺れます。
とにかく文句なしに最高のロック・ドキュメンタリー。ファン諸兄には絶対のお薦めです。
※劇中『R&Rの起源』について語るレミーの背後にレインボウの『ライジング』が飾られているの
は、ロニーを悼む気持ちからでしょうか?こういうさり気ない優しさも胸を打ちます。
ワン・プラス・ワン/悪魔を憐れむ歌 [DVD]
ストーンズに密着したM・スコセッシの新作がいよいよDVD化されるが、その前にJ・L・ゴダールによるストーンズとのコラボレーション・フィルムが再販。完全版と銘打たれたのは、従来のゴダール版に製作者が商業ベースを考慮して再編集した版が加えられたのが理由だが、監督の意向ならいざ知らず、特にペアリングする意味も感じられないし、ゴダールが激怒するのは当然だが、正直両者には一見しただけでは殆ど違いはない。むしろ、演出指導や"現実"への映画の係わり合いを語るゴダールの姿が見れるメイキングが貴重。
映画は、68年ロンドン、新作アルバム製作中のストーンズのレコーディング風景と黒人過激派ブラックパンサーらによるアジテーションと寸劇をシンクロさせ、楽曲と革命の成り立ちを追った伝説の作品。当時、ゴダールもM・ジャガーもブラックパンサーを熱烈に支持していた。
全編長回しの多用だが、名曲「悪魔を憐れむ歌」誕生までの軌跡が窺えるのが、ストーンズ・ファンには何より魅力だろうが、アンヌ・ヴィアゼムスキーが狂言回し的に何度となく登場し、壁や塀にスローガンを落書きしたり、マオ主義、ボリビア革命、「我が闘争」ら政治的テキストの引用に黒人解放運動の意味と経済的根拠らがインサートされる革命劇はどう映るのだろうか?
ライブでの躍動感とは打って変わってのミックの知的で静かな創作風景と後の自殺を予見する様な淋しげなB・ジョーンズが印象的。
それにしても、40年を経た今日でも色褪せないストーンズの神話的パートと、今日では虚しく忘却の彼方の如き革命劇のパート。68年から遠く離れて、とのフレーズを感じずにはいられないが、若い世代には、これもポップと映るのかも知れない。