文車館来訪記 (KCデラックス)
私はコマを追うより行を追っていた方が気が楽な人種で、情報雑誌などに載っている漫画も飛ばしてしまうくらいなので漫画はほとんど読みません。しかし、ある日、立ち寄った「とらのあな」の試し読み(それなら何でそんな所に行く!?)をふととって脳裏に焼きついてしまったのが本書なのです。その時はそのまま手に取らず帰ってしまったのですが、そのあまりの美しさ忘れ難く、ついに購入した次第。 <br /> 本書は付喪神達と人間達が交わる町にある「文車写真館」という写真館で、被写体の一番大切な思い出の瞬間を一枚の写真に写しとる不思議な生人形イアンとそのご主人様で館主のヨオを中心に、物と人の思い出と今の生を描く短編集になっています。物語としても、一話十ページにも満たない短い挿話を主にしながら、全体としても起承転結のしっかりした読ませる作品になっています。が、本書の最大の魅力は何と言っても絵でしょう。大部分彩色画であり、漫画というより画集と言った方がしっくり来る様な極めて美しい絵の数々です。冬目景氏の評判は元より耳にしてはいましたが、まさかここまでとは。私は不勉強ではっきりしたことは何とも言い難いのですが、下書きの線や細部の崩れ、絵の具の色むらを見るにつけ、著者はどうやらパソコンを使っておられない様に見える。これほどのものをパソコンを使わずに書いたのなら著者の画力には驚嘆せざるを得ません。特に、舞台が大正の東京であることから洋と和の入り混じったキャラクターの服装が実にすばらしい。表紙のイアンの振袖姿は元より、付喪神がそれぞれ自分にあった服を着て擬人化されており、それぞれが個性的で服の柄、帯の結び目にまで手を抜かれることが無いのはすばらしい。ページ数のわりに値が張るのは致し方ないでしょう。普段漫画に興味の無いかたにでもお勧めします。表紙を前に本棚に飾っておくだけでも十分な名品ですから。
ももんち (ビッグコミックススペシャル)
作者本人が「70〜80年代の少女漫画を目指した」と後書きで書いているように、その通りの少女漫画でした。装丁から帯から徹頭徹尾愛らしいです。
正確には少女漫画に冬目景っぽさをふんだんに盛り込んだものになってます。
ストーリーは美大予備校に通う女の子と男の子の淡い恋のお話。
ヒロインの桃寧は、ぼ〜っとしてるけど素直で少し控えめな、でも芯はしっかり通ってそうな女の子。こんな子が友達や妹だったらそりゃ大切にするよなあと思える女の子です。
ていうか毎回思うのですが、冬目景の描くショートカットの女の子って、なんでこんなに可愛いんでしょうか。
お話自体は前述したように、少女漫画らしい感じになってますが、やはり作品の空気は冬目景のそれです。
本作は一冊で完結しており、また癖の無いお話になっていますので、冬目景に手をつけてみようかと思っている人にはちょうどいい一冊かと思います。
もちろん、旧来の冬目景ファンにとっても楽しめる一冊です。
ACONY(3) <完> (アフタヌーンKC)
読み切り多数、どれもおもしろいです。敷島閖の謎が明らかに…。そして感動。
僕はコミックス派なので本屋で表紙を見た時は驚きでした。
冬目景先生のドタバタな物語は新鮮で次の巻が楽しみだったのに…(ほかの作品も)
ん〜切ないです。
またアコニーに会える日を楽しみにしてます。
羊のうた [DVD]
この羊のうたは月刊コミックBIRZで連載されていた。
映画化されているのを知ったのもBIRZのなかの広告がきっかけだった。
レンタルビデオショップで借りてきて見たが非常に「日本映画」という感じがでていてよいと思った。
欠点をあげるとすれば千砂役があまり個人的にあまりしっくりこなかったことくらい。
マンガ版はもうすぐ最終巻が出ます。
ぜひマンガ版とあわせてみるべきです。
羊のうた 特別版 [DVD]
原作を知らず、ジャケ写の雰囲気で何気なく視て大変感動しました。コミックでなく、小説が原作かと思える程ストーリーやテーマが深く、花堂監督のこの映画に対する真摯な姿勢が感じられました。原作ファンからは「チョットちがうなぁ」と思われるかもしれませんが、原作の様な悲劇ではなく「生きる」事が主題となっているこちらの方が自分としては好きです。又ロケ地となった長野県須坂市も大変赴きある街で、ご覧になった方は是非訪れる事をオススメします。