リンリン・ランラン GOLDEN☆BEST
香港出身のアイドルデュオ・リンリンランランのコンプリート・レコーディングス。デビュー曲「恋のインディアン人形」をはじめ、甘く切なくそして爽やかなアイドルポップスのオンパレードといった趣で、どの曲も楽しく聴ける。
また、「ヴァケーション」「ケンカでデイト」などのオールディーズ、桜田淳子「黄色いリボン」、南沙織「夏の感情」、山口百恵「ひと夏の経験」などのカバーも聴ける。
歌唱力も申し分なく、2人の息のあったヴォーカルハーモニーの心地よさには誰もが虜になること間違いなし。
願わくば、オリジナルアルバム3枚を1枚ずつ紙ジャケで復刻していただければ文句なし。ビクターエンターテイメントさん、よろしくお願いします。
Hotwax presents Girls,It ain’t easy 1970’s
ダウンロード販売で気軽に購入はできるものの、収録CDが極端に少なく、ある意味“不遇の名曲”といえる岩崎宏美「私たち」―作詞:阿久悠、作・編曲:筒美京平。シングル「ロマンス」のB面―のために購入(めちゃめちゃ明るい曲なのだが、オレは「私たち」を聴くたび、涙が出そうになってしまう。阿久・筒美コンビの最高の仕事のひとつだと、オレは思っている)。
いわゆる有名曲はアン・ルイスのユーミン作品「甘い予感」など最小限に抑え、マイナー系アイドルのB面曲だとか、メジャーなアイドルのアルバム曲だとか、たとえ地味でもグッとくる、いい曲であることを第一に考えたと思しきセレクト。ピンク・レディーの「波乗りパイレーツ」も、シングルB面に収録されていたアメリカ録音版だったり(コーラスにビーチ・ボーイズの面々が参加!)。そして「嫁入り前」「ジーパン三銃士」などなど、作詞家・阿久悠のスゴさも(いろんな意味で)再認識させられた。
確かに、いつもの「定番」どころを中心にまとめてしまえば、構成面でも安定感が出て、セールス面でも安心なのだろうけれど、一方でそれは、安易で「ありがち」なものになってしまう危険性もはらんでいるわけで、あえてそちらを避けたこのセレクトには、拍手を送りたい。
デジパック仕様で、写真・解説とも充実したブックレットの中面には、収録アーティストのジャケット・ギャラリーあり(収録されていないものも含む)。
リマスタリングにより、音質も向上しているようだ。
なお、ライナー中の数少ない誤記を指摘させていただくと、ピンク・レディー「キッス・イン・ザ・ダーク」のアメリカでの最高位は37位だった(ビルボード誌)。
いずれにしても、選曲・監修・解説を手がけた高護さん、グッジョブ!
エッセンシャル・ベスト リンリン・ランラン
この収録内容でこの価格
お買い得です。
収録内容
恋のインディアン人形
赤い屋根のお家
陽気な恋のキューピッド
好きになっちゃった
恋のパッコンNo.1
花のドレス
ノックは暗号
ウィンク上手な女の子
恋の雨音
背高ノッポの男の子
恋はラブ・ラブ
ゴメンナサイ
小さなプロポーズ
海岸通り
ヴァケイション
筒美京平 ULTLA BEST TRACKS / SOUL & DISCO
もしオレが、いわゆる“京平ディスコ/ソウル”のオムニバスを作るとすれば、岩崎宏美の「シンデレラ・ハネムーン」とか、桜田淳子の「リップスティック」とかも入れて、もっとガチムチ……いや、ガチガチに鉄壁な構成にして……とか考えると思うんだけど、このアルバムはその辺ちょっと違っていて、余裕というかすき間みたいなもんがある。1曲めのインストのカッコよさに度胆を抜かれたあと、前半は手堅い感じの楽曲が続くが(優雅―ユウヤ―の2曲がいい。京平さんの作品を多く歌った彼女は、単独CDも出ているので、ぜひチェックを…)、ちょっと酒やけしたような歌声が魅力的(?)なシェリーが登場するあたりから、通好みというか、微妙にB級っぽいテイストの楽曲が混じってきたりする。そして実は、サウンドとかバリバリにバタくさいのに、聴いてて頭に浮かぶのは盆踊りの光景だったりするような、豪華なセンで行こうとして、ちょっとだけハズしちゃった? みたいに一見みえるような(タクシーの座席みたいな感じか)、こういったラインの楽曲にこそ、京平さんの真髄があるんじゃないか、なんて気もする今日この頃ではある(ちなみにB級ラインの筒美作品では、小川みきの「燃える渚」あたりが最高峰なのではないかと、個人的には思っている)。
何はともあれ、全編―約67分―ノリノリなのは確かであり、下世話なとこもあるが決して下品にはならず、今後ダサくなることもきっとない、そんな京平サウンドが満載された1枚だ。