Want Two (CD / DVD combo)
前作「WANT ONE」(2003年)と
同時期に録音された続編的な作品。
70年代に活躍したシンガー・ソングライター、
ケイト・マクギャリルと
フォーク・シンガー、ロードン・ウェインライト3世との間に
生まれたルーファス・ウェインライトは
カナダの音楽的サラブレット。
ピアノを主体とするクラシカルなサウンドと
トラディショナル・フォークの融合した
華麗かつ美しいバック・トラックにのせて
ルーファスの美しい声が
のびやかに、ときに力強く
そして繊細に響く。
優しく包み込むようなデリケートな感覚、
甘くとろけるようなスウィートネス、
クラシックに根ざした
ジェントルなイメージ。
至福という名の音楽、
第二章の幕があがる。
中世の世界へ迷い込んだ羊よろしく
華麗な世界観にとまどい
やがて、ぎこちない舞を始める。
いつのまにか
頭の中で
中世のステップを踏んでいる。
Out of the Game
Want One,Twoでのデカダンでゴージャスなルーファスも感動したけど
今作はもっととっつきやすく、それでいてやっぱりルーファスと
唸らせる名曲の数々です。
個人的には、なぜかビリージョエルと重なる部分を感じるのですが、
当然彼とは世界観が違います。
いずれも曲作りに関しては、天賦の才能があるとしか表現できません。
彼の作品の中では最も一般受けする可能性があると思われ、
個性的で刺激的な美メロを探している人には是非オススメです。
Rufus Wainwright
僕が初めて聞いたルーファスのアルバムです。のっけから腰砕け。男性の声に聞きほれるなんて今までになかったし。かなりドロッとした粘っこい曲とボーカル。これをかけるだけでひたすら贅沢な時間をすごせるという超お買い得なアルバム。ちょっとプリンスに通じる変態っぽさもあるので好き嫌い分かれるミュージシャンだとは思いますが、一度はまったら抜け出せない。そういえばWant One作ったとき曲が出来すぎたためもう一枚アルバムつくったっていうエピソードもプリンスっぽい。とにかく傑作。一生聞く。
MUSIC MAGAZINE ( ミュージックマガジン ) 2010年 10月号
堀込兄弟はもともと説明がうまいので、インタビューが非常に面白かったです。
時代を遡ってみたときに、当時の時代背景や流行していた音楽の傾向、
自分たちの客観的立場から気分まで、お二人とも事細かに憶えていて、
楽曲をどのようにつくっていったか、それがどのように受け入れられていたかを的確に分析しています。
このインタビューが面白いと感じたなら『自棄っぱちオプティミスト』もおすすめ。
さらに詳しい話が読めますよ。
逆に『自棄っぱち・・・』をすでに読んでいる方も読んで損はしないと思います。
ただ、残念だったのが「アルバムガイド」以降の記事です。
きちんと書いているライターさんもいるのですが、うわべだけのレビューが多くて不快でした。
ライターの個人的な趣向はプラスに、はたらくこともありますが、
客観性を完全に失い、偏愛ばかりを全面に出した文章はミュージシャンを軽く扱っているようにしか見えません。
他ページのCDレビューも同様でした。特集ならなおのこと。しっかり書いてほしいです。
インタビューはよかったので☆4つです。