新ソーシャルメディア完全読本 フェイスブック、グルーポン・・・これからの向きあい方 (アスキー新書)
ソーシャルメディアの最適な入門書。
ソーシャルメディアというなかなか理解し辛い概念が丁寧に事例を交えて説明されている。
何よりもソーシャルな世界に対しても希望を持たせてくれる内容になっている。
ソーシャルな世界が広がるということは無機質なつながりの連鎖ではなく、人と人とのあたたかいつながりの連鎖だと認識させてくれる。
統計資料も興味深いものばかりだ。
4月から日本のネット企業に新卒で入社する若者全員に渡して読ませたい1冊。
グルーポン、ポンパレ・・・儲かる! フラッシュマーケティング クーポンサイト完全活用ガイド
フラッシュマーケティングの基本的な事柄と、
どのように使われているのかの事例が
掲載されています。
これからやってみようと思う方は
少し参考になる部分もあると思います。
一度使われたことのある方であれば
ほぼ知っている内容ではないかと思います。
ソーシャル・ネット経済圏
よくも悪くも日経らしい本。前半は大手ソーシャルメディアの主な最近の動きを比較的系統だって纏めている。今もって不思議なのは、2010年の頭から低迷するMixiやFacebookの成長を尻目に何故ツイッターだけが急成長して会員を2000万人近くに持っていったのかという点。そして、その後今年になって何故フェースブックが突然ブレイクしたのか。フェースブックの急成長はグリーとDeNAのソーシャルゲームの急成長と同じ原因なのか、スマートフォンの急速な普及はこれと関係しているのかなど、考えているとどんどんわからなくなります。
しかし後半のトップインタビューは秀逸で、各社の本書出版時点(2010年後半)の考え方がよくわかります。
リアルタイムウェブ-「なう」の時代 (マイコミ新書)
ごく最近のことでいうと、チュニジアの政変のこと。ツイッターで政権追及する声が広がったことが独裁者を追い出す力となったということがニュースで数多く指摘されている。
この本のエピローグにはケニアの例が出ている。これも政権を批判する声がサイトに集中し、それが政治を変える力になったと書かれている。アラブにある他の独裁国家でもツイッターをはじめとするリアルタイムウェブ上での声が政治へ影響力を強めてきているとの報道がみられる。
政治だけでなく、経済や文化の面でもリアルタイムウエブがキーワードとなって変化を呼ぶ情報伝達の仕組み
が完成されていくのだろう。そういう思いにさせてくれる本であった。
バイラル・ループ あっという間の急成長にはワケがある
「バイラル・ループというのは、インターネット上でブログやツイッター、ユーチューブなどのソーシャルメディアを経由して、情報がウイルスのように伝播していく現象のことだ。」
インターネット上で、個人をハブとした信頼に基づく情報の流れ。いわゆる口コミだ。本書は、口コミ戦略の元祖タッパウェアーから、懐かしのネットスケープ VS マイクロソフト ブラウザ戦争、ネットでヒットした低予算映画、ユーチューブのバイラル動画といった話題を織りまぜながら、ホットメール、ペイパル、イーベイ、マイスペース、フェイスブックなどのバイラル企業の成り立ちと、その顛末を紹介し、バイラル・ループの本質を明らかにしていく(と思う)。
日本には馴染みの薄いものもあるのだが、なにより、それぞれの起業家たちの野心がすけて見えて面白い。
共通しているのは、ユーザにコンテンツをつくる場を提供し、口コミでユーザ数を倍々に増やして、広告収入で利益を出しつつ、大手に買収されるという戦略。アイディアと技術=組織化のテクノロジー、そしてスピードで勝負。予想外の規模の拡大に伴い、スケーラビリティの問題に直面していくあたりなど、とにかくビジネスを立ち上げて という思考なんだろう。
インターネットは、小さく初めて大きな富を得るチャンスを提供してくれる。反面、企業と個人、個人と個人の信頼に基づいていることがバイラル・ループのキモだから、これを失墜したときのインパクトは相当大きなリスクとなってしまう。口コミで悪評が広がるということだ。最近起きた某サイトのステルスマーケティングが顕著な例だろう。
著者がいうように、従来型の広告収入を期待するビジネスのコンセプトは、変えていくときがきているのは理解できる。
「広告クリックというコンセプトに頼って業界全体が発展したのは、じつに驚くべき話といえるだろう。」
では、何がバイラル企業の収益を拡大していくのか。今後、起業家たちがどのようなサービスを打ち出してくるのか興味は尽きないところだ。本書は、自分もチャンスをつかむことができるかもと淡い夢を抱かせてくれる。もっとも、紹介されている起業家のようなお利口さんではないのだけれど。