The Diary of a Young Girl
昨年、アムステルダムにアンネの家を訪問した。
原題「後ろの家」の通り、運河に面した細高い建物の奥にある。
本書では、ここで過ごした2年1ヶ月の日々が綴られている。
8人の同居人と5人の支援する人たちとの日常。
アンネの生涯は13歳までは裕福さと満ち足りた暮らしがあった。
日記では13歳から15歳にいたる1少女が自分の言葉で語っている。
おとなの打算や、政治性、見栄も、虚飾もない言葉である。
13歳のわがままな1少女が2年間で、忍耐強さと献身を学んでいく過程がある。
そして捕らわれる3日前で日記は終わる。
それから半年後、アンネはこの世を去る。
この狂気の支配していた時代は、決して中世ではない、つい65年前である。
なぜユダヤ人が迫害されたのか、巨大なイデオロギーと民族の歴史に何かあるのか。
しかし、それよりもアンネが2年間で学び、そして遺したものは、かけ替えもなく貴重である。
すなわち、どのような苦難に満ちた暮らしであっても、そこから学ぶものがあり、混乱と極限の中を生きるときも、希望を失わず、精一杯優しく、そして回りへの愛を持ち続けること。
時代の中の一時の権力におもねり、権威を振りかざし残虐さ、利己を求める人々、無関心を装う人々の一方で、ひたすら優しく、弱い立場を守り、献身的に、健気に生きる人たち。
アンネは、この日記を公開することを目的には書いていない。だが、読者に対して「あなたならどのような生き方を選択しますか?」と静かに問いかけている。
世界を変えた10冊の本
この本で取り上げられているのは、次の10冊の本です。
『アンネの日記』
『聖書』
『コーラン』
『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』
『資本論』
『イスラーム原理主義の「道しるべ」』
『沈黙の春』
『種の起源』
『雇用、利子および貨幣の一般理論』
『資本主義と自由』
主に宗教と経済の観点から、これらの本が世界にどのような影響を与えたのか、本文を引用しつつ、池上彰さんらしい解りやすい語り口で説明してくれています。
単に本の内容を紹介するだけでなく、現代社会に照らして、それぞれの本がどのような意味をもつかを説明してくれているので、原本は難しい内容なのでしょうが、どの本のエッセンスもすんなりと理解することができます。
私は特に、冒頭に取り上げた『アンネの日記』が中東世界に強い影響を与えているという話が、実に興味深かったです。
60年以上前に書かれた中学生の少女の日記が、今の世界情勢に大きな影響を与えているという事実。
『世界を変えた10冊の本』がテーマとしている「本が持つ力の大きさ」を感じました。
もちろん、『アンネの日記』以外で取り上げている全ての本について、それを感じることができます。
一度読んですんなり理解できますが、奥深い内容なので、もう一度じっくり読み返したいと感じた一冊です。
アンネの日記 [DVD]
だと思いました。
とにかく、一人でも多くの人に観て欲しいです。
アンネ役の女優もまた、魅力的でした。
ペーターの母親役の女優も良かったです。
私が一番印象に残っているのは、最後、警官にアンネ達が捕らえられる前に、アンネとペーターが抱き合うシーンです。
観ていてとても複雑な気持ちになりました。
宗教や人種による差別は、大昔から今日まで行われています。
何故、宗教や人種が違うだけで酷い扱いをされなければならないのでしょうか?
人間とは不完全なものなので、仕方がないことなのでしょうか
日本アニメーション創立25周年企画 アニメ主題歌大全集 〜オリジナル原盤による〜
現在ではコロムビアから日本アニメーション主題歌挿入歌全集というCDが
全4巻発売されているのですが、そちらには日本アニメーションの作品のうち
TVシリーズの主題歌しか収録されていないため、TVスペシャルや劇場版の
主題歌まで網羅したこちらのCDBOXは大変貴重です。
特に劇場版魔法陣グルグルの主題歌「金のトビラ」や新居昭乃さんの歌われた
ドラゴンクエスト列伝ロトの紋章の主題歌「少年の羽」や超人ロックの劇場版・OVAの
主題歌5曲など入手困難な名曲を収録しているのは非常にポイントが高いです。
アンネの日記
日記の真贋論争はすでに決着のついたことなのでここで蒸し返す必要
はないだろう。確かに14〜15歳の少女が書いたにしては世慣れた感じ
のする文章ではあるが、本好きの少女の本から得た言い回しと思えば
別に不思議はない。観察力・言語力の優れた少女の類い希なる真実の
記録である。
1944年8月1日でこの日記は終わっている。この夢と希望に満ちあふれ
た少女がこの後どうなったか我々は知っている。知っているが故に、この
日記の突然の中断は底知れぬ恐怖と絶望を我々に与える。
そしてこれが同じ人間によって引き起こされたことだと思うたびにこの本の
重みは益々増し、永遠に読み継がれていくことであろう。
あれから60年。何が変わったのだろうか・・。アンネは今どこにいるのであろうか。