サクリファイス 1 (ヤングチャンピオンコミックス)
ツール・ド・フランス。
最高峰のちゃりんこロードレース。
ロードでは、エースとそれを支えるアシストによってチームが構成されています。
エースのタイヤがパンクしたら、アシストはタイヤをエースにささげます。
もちろん、走りでのサーポートが重要であることはいうまでもありません。
サクリファイス=犠牲。
栄光と残酷が隣り合わせの自転車というスポーツ。
その魅力が、ビンビン伝わってきます。
サクリファイス スペシャル・エディション (2枚組) [DVD]
なんといったらいいか。難解ですが素晴らしい。心に、そして魂に染み入るような映画です。
主人公の美学者が言葉を失ってしまった息子と北欧神話で重要視された世界樹を浜辺に植えるシーンから始まり、恐るべき遅い速度で展開していくカメラの長まわしが生み出す映像美から片時も目を離すことができません。この世の矛盾をそれまでの人生と照らし合わせるかのように内省する美学者。木々の間で、草の上でとてつもない自然との、自己との対話が成されるシーンからして圧巻。ざわざわと草を揺らす風が不安とせつなさをあおります。
矛盾に満ちた人間模様と世界。目的の定まらない医者の友人、夫のことを本当に愛しているのかどうかも定かではない美学者の妻、自分のことをあまり主張しない娘。そして突然訪れた世界戦争の危機。自己内省をしながら美学者は、自分の持てるものである息子を生贄にすることによって、また家に出入りする純朴な使用人の女性に自らの肉体を捧げるようによって戦争の危機を回避しようとします。なにも守るものなどないのに・・・。こうした美学者の心の旅路がタルコフスキー監督得意の澄み切った水と反射物を写し撮り切った脅威の映像美を交えてつづられていくさまは素晴らしいの一言。
やがて美学者は内省と自己陶酔との狭間で精神を崩壊させていくのですが、いったい本当におかしいのは誰なのか。むしろ、周縁として、排除されるべきものとして描かれている口のきけない少年、卑しい身分の使用人の女性、そして内省したうえで凶行に走る美学者のほうがまともで、快楽や体面を重んじる極めて世俗的な精神世界に住む医師や美学者の妻のほうがおかしいのではないか。タルコフスキーのメッセージはそんな風にもうけとれます。
人間には形にはまりきらない余剰の部分が確かに存在し、その部分をふくめて見つめなおすことの意義を不可思議な展開のなかで我々の心に刻印する、これはロシアの映像哲人アンドレイ・タルコフスキーの異郷で撮り上げた美しい遺作。
エデン
「サクリファイス」の続編。ところどころ前作品の内容を匂わす箇所がありますが、それを気にしなければ独立した作品として読んでも差し支えないと思います。
今回は自転車競技の物語であってミステリーではないですね。
確かに前作のような展開を期待している読者には盛り上がりに欠け「エッ?これで終わり?」と感じられるかもしれませんが、私はスポーツの世界に的を絞って描いた今作もすっきりしていて悪くないと思います。登場人物たちが様々な葛藤を抱えて揺れ動きつつも、感情をむき出しにしたりぶつけあったりすることなく淡々と物語が進む感じも好みでした。
主人公・チカの人柄や競技者としての役割が、割と地味目なところがより一層この物語を興味深くしているのではないかな、とも思いました。表彰台に上がり華々しく振舞うスター選手の影にあるイロイロなドラマに改めて気づかされますよね。
大袈裟な言い方ですが、「サクリファイス」「エデン」の2作品を読まなければ、きっと私は自転車競技のなんたるやを全く知らないまま人生を終えたのではないかと思います。そういう意味でも、日々の生活には全く馴染みのない自転車競技の奥深い世界へ誘ってくれる貴重な作品と言えるでしょう。続編を希望します。
バック・トゥー・バッハ
数多いバッハの曲の中でも、飛び切り美しい曲をアレンジしたすてきなCDです。それぞれの雰囲気を大事にした演奏も光っていますが、特に、「2台のバイオリンのための協奏曲」の2楽章を3連符を使ってアレンジした曲は、本当に美しくて涙が出そうなくらいです。また、有名な「主よ、人の望みの喜びよ」は、ゴスペル調の現代的なアレンジで、聴いていて思わず体が動いてきます。あまりクラシックが好きでないという人も気軽に聴けること、保証します。
サクリファイス~神々の咆哮~
10年前の作品なのに、最近のゲームにも全く見劣りしないグラフィックと完成度。
360度視野をもち、空を見上げれば太陽が輝き、下を見れば地面があります。
RTS(リアルタイムストラテジー)の名に恥じない臨場感があり、AIと勝負しているときでさえドキドキを抑えられません。
マナの確保を起点とし、多数のクリーチャーとスキルを駆使して祭壇破壊を目指す戦略性の高さに、何度でもやりたくなってしまいます。
このゲームからは本当に多くの感動と衝撃を貰いました。
残念な点としては、マルチプレイの人口がとても少ないということと、開発元がもう無いといったところでしょうか。
DirectX8世代のものですが XP/Vista/7 で動作確認が行われているようです。