Filosofem + Booklet
BURZUMは2nd、3rdも名作だが、私はこの4thを愛聴している。BLACK METALでよく見受けられる「大袈裟な仰々しさ」は微塵も無く、寧ろ淡々と、贅肉を殺ぎ落としたスローな演奏で、見事に彼らの世界観を描写している。彼らの作品には何とも言いようの無い「絶望感」と「寂寥感」に溢れているが、この作品には特に顕著に表れている。1「Dunkelheit」は全編、シャーシャーとノイジーなギターとシンプルなキーボードの音色をバックに、絶望的でもがき苦しむようなVOパートと呟くようなVoパートで構成されている。2「Jesus'Tod」は鋭いギターのイントロで始まり、スピード感あるドラムとささくれ立ったノイズギターで、シンプルかつ疾走感あるリズムをひたすら反復する。このリフ、メロディは非常に攻撃的で魅力的であり、また終始展開されるこの反復リズムを聴いていると、トランス状態に陥ってしまいそう。今作のハイライトの1つである。3「Erblicket Die Tochter Des Firmaments」はエフェクト処理をかけたカウントの咆哮とザラザラなギターノイズが、這い回るようにリズムと相俟って迫力がある曲。4「Gebrechlichkeit I」は更にスローなリズムの上を寂しげな単音キーボードが浮遊するように彩る楽曲。5の「Rundgang Um Die Transzendentale Sasle Der Singularitat」はもはやBLACK METALという括りでは語れない楽曲。アンビエント?環境音楽?この作品ではその楽曲と共に、美しい絵画的なジャケット、「Filosofem」というタイトルからも窺えるように、非常に深遠で観念的な世界が表現されている。今作は既にBLACK METAlの範疇から逸脱しており、そういったジャンルを超えて「地下暗黒音楽」の名盤と言える。
Burzum / Aske
Mayhem、Emperorに並ぶノルウェーの偉大なブラックメタルバンドBURZUMの1stアルバム。
初期の頃のアルバムなだけに音質は劣悪ですが、他のアルバムより狂気が二割増になっています(笑)
Burzumは邪悪な演奏や邪悪な音質が独特のムードを出してるバンドですが
カウント様の怒りや悲しみが入り混じったボーカルがなによりも素晴らしいと私は思います。
カウント様のボーカルはアルバムを出す度に洗練されていった感じがしますが
初期の頃のこの1stアルバムにはカウント様の荒々しく、そして今にも泣き出しそうな程感情が篭った歌声(というか絶叫)の魅力が満載です。
是非ともブラックメタル聴き始めの方やBurzumを聴いてみたいという方にオススメしたい作品です。
Umskiptar
BURZUMの新譜。
本作は、聞き手が何を求めるかによって評価が分かれると思う。
まず全編クリーンボイスで構成されている点と、BURZUMのトレードマーク
でもある、凍てついたジリジリギターサウンドが完全に消滅していることが残念。
発狂ボーカル、ノイジーなギター、不良好な録音環境が特徴の初期
陰鬱な雰囲気が充満するダークアンビエント期のBURZUMを嗜好する身としては
umskiptarでのアプローチには正直納得できない。
北欧神話のストーリーテラーとしての役割を期待する人は聞いたらいいと思う。