北の球児たち 2011春
大作「北海野球部 百年物語」をかつて上梓された著者が、今回は北海高校だけではなく
北海道内の高校野球全体を扱い、主に春季大会の観戦記を中心とした内容となっている。
個人による自費出版との事で、限られた時間、限られた予算の中、甲子園には直結せず
あえて商売ネタになりにくい春季大会を題材にしている点、広い北海道のエリアを著者一人
で高い交通費をかけてくまなく回り、まさに足で記事を書いている点に、採算よりもより純粋
な著者の北海道の高校野球に対する深い愛情が感じられる。
その愛情の裏返しであろうが、多くの記事、写真を盛り込もうとする余り、全体的に字が小さく
感じる部分があり、年配者等にはやや読むのにしんどい部分があるかもしれない。個人成績をもっ
と小さくし、その分、寸評・写真を大きくする思い切りのよさがあっても良いだろう。
また、過去に活躍された高校野球OBのインタビュー記事が掲載されていたが、この手の雑誌には
こうした「箸休め」的な記事も重要。もう2〜3ページ、著者によるコラムやかつての名勝負・名選手
の紹介などの記事を盛り込めば、いっそう誌面が充実すると思われる。
今回が第1作と言うことであり、次号以降も期待して見守っていきたいと思う。