愛だけを残せ
この曲を聴いて、中島みゆきはいつから強くなったのか、考えてみました。たぶん「夜を往け」あたりがはじまりだったのかな?今現在、日本国内だけで、1日に100人もの人たちが自ら命を絶ち、日本の自殺者は11年間で、3万人だといいます。「地上の星」やTOKIOに提供した「宙船」そして、この曲も、あまりにも文明が進化してしまったために、人は機械やPC発明したのに、今では人にとって変わられた存在となってしまい、こんな厳しい世の中で働いて、そして、負けそうになっている人たちへの必死のエールのように聴こえます。残念なことに、わたしにはとてもこの先も景気が良くなるなんて信じられませんが…。中島みゆきの歌を聴くと、いつも日本語が本来持っていた「強さ」を思い出させてくれる、ホント、オンリーワンの存在ですね。
松本清張セレクション 壱 (5枚組) [DVD]
私が小さいころから、父は毎年正月には「砂の器」のビデオをレンタルしてきて、見ていました。
別に暮らすようになってだいぶ経ちますが、生誕100年でDVDが出ていると知り、父のことを思い出して、クリスマスに贈りました。結果は、大喜びでした。正月に見てくれて「やっぱり名作だ!何度見ても良い!よく覚えてたね〜」。私自身は、だいぶ前に見たきりなので、うろ覚え。哀しいお話だなあと思った記憶だけですが、父が喜んでくれたので、私にとっても☆五つです。
点と線
「砂の器」と本作にしか触れていない松本清張ビギナーです。
上2作に共通して感じた魅力は、
我々と等身大の、さして秀でた技能を持つわけでない刑事が、
地道に粘り強く捜査をしていく過程です。
捜査に集中しているなかで、
些細な出来事からひらめきを得る、
また一見難攻不落のアリバイを、
試行錯誤を重ね、喜怒哀楽をあらわにしながらも崩していくという、
刑事の奮闘に魅せられます。
松本清張サスペンス 傑作選[大映テレビ・TBS編] [DVD]
松本清張、『ザ・サスペンス』シリーズのDVD化。滝田栄、宇都宮雅代らが好演した『内海の輪』、これがとても素晴らしい。2時間サスペンスの歴史を語る上で隠れがちな、『ザ・サスペンス』シリーズであるが、一応清張原作の映像化として貴重な資料と言える。
ただ、このシリーズで清張原作の映像化としてはずせない名作『時間の習俗』が収録されていないのは納得いかない。ショーケンが三原警部補を好演、作中のアリバイトリックは今となってはさすがに古いが、中谷一郎も好演していた。ちなみに、冒頭の犯人のトリックはちょっとした趣向が凝らされていて面白かったので、是非次の機会にDVD化を期待したい。
松本清張傑作選 第一弾DVD-BOX
さすがに傑作選と謳っているだけあってその名に恥じない、良質なテレビドラマの傑作である。『ゼロの焦点』は2時間という長さを感じさせず、また、断崖絶壁での犯人の告白スタイルが取り入れられた記念すべき(?)作品。犯行動機の戦後の世相についても丁寧に描かれている。
『白い闇』『張込み』では珍しく吉永小百合がヒロインを演じている。後者での着物姿が清楚な美しさを引き立てている。こういったサスペンスも彼女にあっていると思わせる、そんな作品だ。
圧巻なのは十朱幸代主演の『二階』で、清張作品の映像化としては因果応報というようりは非情な、救われない凍りつくような結末で、観る者を狂気と混乱の世界に導く。一つの愛の形と言ってしまえばそれまでだが、あまりにも歪んだ皮肉な、そしてエゴイズムに満ちた人間の心理を抉り出した埋もれた名作である。
土曜ワイド劇場や火曜サスペンス劇場、ザ・サスペンスだけがサスペンスドラマではない。こうした作品群にもっともっとスポットライトを当てて、世に出してほしいものである。