アントルメティエ 1 (ヤングジャンプコミックス)
主人公の小椋かのこは200年も続く老舗和菓子屋の娘。
しかしケーキが大好きでケーキ屋になるのが夢だった彼女は
喫茶店のバイト兼パティシエ(といっても現状は店のケーキを作るだけ)として働いている。
ひょんな事から銀座の高級ホテルのシェフパティシエからその才能を見出されスカウトされる。
そこにはスイーツ・ヘブンと呼ばれるイケメンパティシエ達が居た。
パティシエといってもそれぞれ作る物によって名称が変わる。
アイスクリームやシャーベットなどの冷菓担当はグラシエ。
チョコレートを作るのはショコラティエ。
マドレーヌやマカロンといった焼き菓子を作るのはフーニエ。
そして主人公が抜擢されたのはケーキやデザートなど生菓子全般を担当し
更に味の決め手となるクリームやムースなど全てを作るアントルメティエ。
製菓学校を出ていない彼女はいきなり大事なポジションを指名される。
知識はほとんどない。彼女の製菓への無識さに周囲は驚く。
しかし彼女には天性の才能がありケーキを作る腕は確かで
彼女をバカにしているチーフパティシエもそれだけは認めている。
第6話7話では歌舞伎役者とバレリーナの結婚披露宴で作る
アシェット・デセール(皿盛りデザート)をスイーツヘブンとかのこが担当する事になるが
シェフからはなかなかOKが出ず皆苦戦する。
かのこは「食べる人の気持ちになって作る」という父の言葉を思い出し
あるアイディアを提案しアシェット・デセールに挑む。
チーフもようやく彼女の腕だけではなく才能を認め始める。
披露宴当日何の問題もないと思われたがあるハプニングが彼らに降り掛かる。
どうなってしまうかは次巻にてのお楽しみだ。
何と言ってもヒロインである小椋かのこが可愛い。
彼女の持つ天性の才能と天真爛漫さはこの作品の最大の魅力だろう。
作者のきたがわ翔+ケーキといえば往年の名作「NINETEEN19 ナインティーン」を連想するが
この作品は原作者付きでなおかつパティシエである高木康政が監修なので
非常にしっかりとした土台作りが出来ているように思う。
難しい専門用語も作中で丁寧に説明されているので
楽しみながらパティシエの事を学べる。
これから先のかのこの更なる活躍に大いに期待である。