日本ただいま脳死状態―されど望みは捨てず
外交評論家・岡崎久彦氏の「思索する政治家の書」という書評に惹かれて読んでみた。書評のとおり、誰にも寄りかからないで、自分の良心だけを信じて、戦後の日本の生き方を模索を続けてきた筆者の思索の結晶だと思った。筆者は、元外務政務次官だというが、題名からして、少しふざけた本だと思ったので寝転がって読み始めたが、読み終わるときには正座していた。今、日本が直面する難しい外交問題も、やさしく噛み砕いて説明してあるので、解りやすい。
サムライ国家へ!―本当の国益を考えようよ、尊敬される国になろうよ
東祥三氏は、外務省の副大臣として新しい日本の外交を世界に示したのみならず、国連の職員としても紛争地域や途上国を歩いてこられた。2国間と多国間の両方を諦観できる人物である。この本の中には、東氏のビジョンのみならずサムライの心がある。外交、安全保障の専門書としての価値がある内容を小説のように読める本である。