I LOVED YESTERDAY(初回生産限定盤)(DVD付)
先行配信曲「Laugh away」を含む新曲10曲という、聴き応えのある内容になっていると思います。
両A面扱いの「Understand」さえも収録せず、できるだけ新曲を収録しようとする姿勢には好感が持てます。
内容としては、「FROM ME TO YOU」ほど衝動的ではないし、「CAN'T BUY MY LOVE」ほどメロディアスでもないが、込められたメッセージがより明確になり、かつ強いエモーションを感じさせる曲が多くなっていると思う。歌詞が幼い、陳腐だと一蹴するのか、若い感性、純粋な想いに触れて何かを感じるのかは人それぞれでしょう。個人的には歌詞にも魅力を感じています。特に「Am I wrong?」は良いと思いました。自分自身と真摯に向き合い、覚悟をもって書いた歌詞だと思います。
ボーカルも曲ごとに全く違う色を見せていて、確かに歌唱力はないが溢れ出る意志、想いがダイレクトに心を揺さぶる、そんなボーカルだと思います。もっとも表面的な歌唱力などボーカリストとしての魅力とは関係ないと思いますが…。
全体的に勢いのある曲が多く、ロック色の強いアルバムだと感じました。欲を言えば、「Namidairo」のようなスローテンポなバラードがもう1曲くらいあればバランスが良かったかなと思います。
個人的な感想としては大体、良いと思ったのですが「We will go」だけは全く好きになれませんでした。YUIにしてはちょっと安易過ぎる応援歌になってしまったなと感じざるを得ません。
それでも過去2作品と比べても遜色なく安定して良い作品を作ることができるYUIの能力の高さを改めて実感しています。
1stの頃と比べて音楽性が変化したことも、悪いことだとは思わないし、それほどクオリティーが落ちたとも思っていません。むしろ「FROM ME TO YOU」のようなアルバムを3枚続けて出されたら、何の成長もないと感じてしまいそうです。ロックだとかポップスだとか、そんなカテゴライズもどうでもいい。まだ若いし今は試行錯誤の時期なんじゃないでしょうか。
Namidairo(初回生産限定盤)(DVD付)
2008年の初リリース!! 2曲とも聴きました。
タイトル曲『Namidairo』はアコギ&ストリングスが同居し歌詞とも相まって切ない感じを醸し
出しています。歌詞もこの曲に限った事ではないのですが深読みしようとすると自分の思想
・・・自分像をそのまま投影してるのかなと思ったりもします。
(分かったように話すつもりはない。)
どことなく1st〜4thシングル,1stアルバムに収録されている曲の雰囲気を含んでいる気がするな〜
と思っていたら初期のストック郡からの1曲だとか。
1stの頃からの(と言ってもまだキャリアは浅いので初期も何もないだろうが・・・)昔ながらの
ファンは最近の曲の雰囲気から脱した初期風を吹かしたこのような曲も待ち望んでいたのでは
ないでしょうか?
c/w『I wanna be...』の方もアップ過ぎずスロー過ぎずテンポの良いミディアム調で心地良い
メロディワークで聴かしてくれる曲となっています。 YUIさんの楽曲郡にまた一つ隠れた名曲が
加わりましたね。 また詞も素晴らしいです。
曲に流され気味ですが歌詞に込められたメッセージも感じ取ってみて下さい。
きっと何かの糧となることでしょう。
『Namidairo』は次作のアルバムに収録されるだろうけどc/wは未収録になると思うのでc/wの為
だけでもこの1枚を手に取ることを大いにお勧めしますよ。
シングル恒例の前シングルアコギver.の方も期待しています。
2008年・・・今年もYUIさんがどのような名曲を世に送り出すのか・・・ 期待大です!!!!!
三姉妹探偵団(4) (講談社文庫)
本作品では、結果として多くの殺人事件があったことになります、
三姉妹探偵団の第4巻を読んで、疑問に思ったことがあります。
なくなった人の一人一人の描写が、生い立ちや背景などが駄々草になっていないだろうか。
一人一人、親があり、赤ん坊の頃がある。
もう少し、丁寧にひとりづつの人生を描写してはどうだろう。
死が偶然やってくることはあるかもしれない。
しかし、一人一人の人生には、意味があったことを記録すると、本質に近づけるのではないだろうか。
三姉妹探偵団を読んでいて、少しづつ、違和感が積み重なって来たが、
本作品を読み終えて、それが、人生の描写の不完全さではないかという思いに至りました。
憎悪とか、嫌悪ではありません。
人生の描写を読者にまかせるという姿勢はあるのかもしれないという感じもするので。