ママゴト 3 (ビームコミックス)
一巻二巻を号泣しながら読んだ身として、不幸な予感に身をおののかせざるをおえなかった。なんせ松田洋子だし。
…でもっでもっ!だっぷり読者に思い入れをさせる可愛い切ないタイジや映子ママの不幸を誰が望みましょうや! というわけで本巻はドキドキしながら祈るように読んだ。
そして、私の予想ははるかに裏切られ、あの人間の邪悪さを描いて余りない松田洋子は、とても優しい柔らかいところに二人をちょこんと送り込んだのだった。あの表紙のように。
あぁ…良かった…(涙)。私のように二人の幸せを願いつつ、可哀想で読むのが怖いという人、大丈夫ですよ。タイジと光くん、とっても頑張った。
松田洋子は意地悪な人ではない。ありがとう。
ママゴト 1 (ビームコミックス)
「生まれてきて大きゅうなっただけで うんとええこなんじゃけ。」
舞台は多分、広島県―。スナックを切り盛りする映子は、商売も順風満帆。
だが、若き日の過ちが原因で子供との関わりを断って一人で生きてきた。
そんな映子の元へ、友人の滋子が5歳の息子・大滋(タイジ)を連れてやってくる。
経済的に困窮している滋子から、タイジを押し付けられた映子。初めはタイジを遠ざけようとしていたが…。
それまで面識のなかった大人と子供が、突然一緒に暮らすハメになって……と聞くと、よくある擬似家族漫画を想像するだろう。
だが、今話題の『うさぎドロップ』のような内容を期待してはいけません。それだけストーリーも登場人物も濃くて強烈です。
作者は、底辺(それもどん底)で生きる人々を描くのがとても上手い。主人公の映子も相当な修羅場人生を歩んでいます。
「家族がほしい」―。家庭の温もりを知らずに育った映子は、孤独からそう願っただけなのに運命は残酷です。
彼女の過去に起こった出来事は、若さゆえの無知や思慮のなさが原因とはいえ泣けます。そして、非常にリアルで生々しく感じました。
辛い過去から自分を解放できず、刹那的な生活を送っていた映子。彼女の内面の不安定さが、時折読み手を不安にさせます。
映子と滋子の微妙な関係も気になります。子がいない映子は子供を持つ滋子に、生活苦の滋子は経済的に安定している映子に、
お互い強い羨望とコンプレックスを抱いている様に見えます。タイジの存在が、更に二人の関係に影響を及ぼしそうな予感がします。
タイジが可愛くて面白い♪ ぽっちゃり体型も愛嬌があって可笑しいですが、その健気な言動に幾度もホロリとさせられます。
どんなに邪険にしても笑顔で明るいタイジに、次第に癒されていく映子。純真でユニークな彼の存在が物語を面白くしています。
そして、忘れてはならないのが、姐御肌で強烈な小学生女子のぺーちゃん。親子ほど年の違う映子となかなかいいコンビです。
ぺーちゃんと映子のやり取りは漫才の様で笑えます。彼女達が話す広島弁が軽妙で良いです。会話のテンポが良くて楽しい。
先を暗示する様なラストですが、次巻で終わりなのかな? 続きが気になります。
設定はヘビーですが、切ない中にも優しさが散りばめられている物語です。心に響く台詞もたくさんあり、久々に秀逸な漫画に出会えた気がします。
あらすじに「奇跡の物語」と書いてあるので、これは映子たちの「再生と救済の物語」であると信じたいです。皆、幸せになってほしい。
マッサージで感じちゃった僕。 その7 萩原理恵 相沢すみれ 明石洋子 松田悠希 姫野ゆず アロマ企画 [DVD]
(1)【リラクゼーションマッサージ】萩原理恵
マッサージの技量はあんまり上手くなさそう。目線とか表情とかがわざとらしく、結局ただの手コキ。
(2)【お色気制服サロン】姫乃ゆず
これはフツーにイメクラ性感。
(3)【耳掻きサロン】相沢すみれ
耳掻きは最初だけ。残りは申し訳程度のマッサージ→自家発電誘導→手を添えて発射というオチ。
(4)【旅館出張マッサージ】明石洋子
ホテルとかでマッサージを頼むと、すぐにこういう感じになるあやしい人は確かにいるなぁ。施術してる側の女性のアップはあんまりいらないんじゃないかしら。特にこのチャプターの場合、表情アップで妙にわざとらしく表情を作るので興ざめしてしまう。最後は尺八による構内発射。
(5)【バリ風リラクゼーション】松田悠希
この巻の中では一番それらしい出来。けど、仰向けになってすぐに局部をマッサージするのはフツーにヌキあり店なのでは?最後は太腿さわらせつつ手コキでフィニッシュ。
相羽奈美の犬(全) (ビームコミックス)
両親にネグレクトされたひきこもりの少年は女神と慕う美少女奈美さんのストーキング中に車にはねられる。
その時謎の犬霊により犬に転生、なんと奈美さん宅で「オン」と名付けられ飼われる事に。
完璧に見えた奈美さんの家庭には複雑な事情があり、彼女の父親は娘を怖れ、憎んでいる様だった…。
美人かつ人柄が良く、父親の腹に一物有るが為に次々と奈美さんに受難が。
オンは魔力を帯びた牙で奈美さんをどこまで守れるのか…。
ぶんか社のとてもカオスで面白かった少女向けホラー専門隔月刊誌「ホラーM」→耽美系隔月刊ホラーアンソロジー「トカゲ」→電子書籍「デジタルホラーM」へと2008-2010年に掲載誌を変えて連載された傑作連作短編です。
同社から紙媒体で1巻、電子書籍で2巻という中途半端な刊行をされており、なんとかまとまった形で読めないかと切望していただけに嬉しい完全版発売です。
極めて厳しい人間観察力を黒い笑いに塗せて描く名人で有る松田氏は実は泣ける漫画も上手い作家さんでもあるのですが、少女向けに描かれた本作、氏本来の毒に溢れた人間観察に加えて可愛らしい人物や犬達のキャラクターを取り入れ、とても恐ろしく、美しく、怖く、泣けて笑える漫画的に文句無しに面白い大傑作となりました。
極悪な敵役以外でも凡庸で無気力な悪、愛を奪うばかりで与える事を知らない罪等を描き、その贖罪が人間を止めて犬になる事、と言う文字だけで描くととてつもなく酷い話を絶妙に漫画化しています。
主人公「オン」が愛するご主人様「奈美さん」の浮世離れした天使の様な描写には最初わざとらしさも感じたのですが、彼女が抱える問題の尋常では無い闇が明らかになって行く内に考えが改まりました。
ブラックな日常が無限にループするが如き作品も多い松田氏ですが、本作はしっかり決着を付けた最終回を描き切れた作品となりました。
それだけに皆様に最後まで読んで頂ける形での再刊、大いにお薦めです。
ある恋の物語 My Standard Collection
いきなり007からはじまってびっくりしましたがw
ある程度の年代の方ならみんな知ってる歌ばかりなので、最初から、どんな稲垣潤一節になるのか興味を持って聴けました。
なじみの外国曲を日本語歌詞で聴くとまた新鮮ですね。
記憶の英語歌詞とちょっと感じが違ってたりで発見もあります。