かわいそうだね?
三人の三角関係もどきの他愛のない会話が綴る話。いきなり地震で
はじまる、去年の震災を踏まえているのだろうか。文中、英会話や
メール会話が描かれている斬新な試みもある。綿谷は文章が上手な
ので、読んでいて心地よい。2話の亜美ちゃんは美人は、たぶんB面
みたいなものなんだろうけど、テンポがあって面白かった。きっと、
綿谷りさは、あまり長編ではないテンポのある青春小説が得意分野
なのだろう。インストールの時の新鮮な若手作家誕生の驚きから、今
や、本格作家へと変身する綿谷にエールを送りたい。
大江健三郎賞受賞作
勝手にふるえてろ (文春文庫)
ランキング番組でこの作品を知り綿矢作品を初めて読みました。
過去の片思いと現在の求愛のはざまに揺れ動く女性心理を読みたくて購入しました。
独特なリズムで場面毎におもしろさを感じましたが、感情移入する前に終わってしまった感じです。
中学時代会話もない状態で当然のごとく名前を忘れられてたことより、再会した現在にマニアックな話題に共通点が見出せたほうが、よっぽど今後に繋げようと気持ちにさせると思うし・・・4人で集まる時に名前くらい確認してくんじゃないかな〜なんて、つまんない突っ込みを入れつつ読んでると、そのまま終わってしまいました。
ひらいて
目立たないが気になる男の子のいる教室風景。女子高校生の普遍的な光景から物語は始まる。
いけないとわかっているけど、他人の手紙を盗み読み。
さあてここから一気に物語は暴走する。
エキセントリックな登場人物が意味ありげに舞台に立ち、つられて主人公の過激な性格が発露する。
そうだよ。高校生の頃って、充実していても不満一杯でも、とにかく自分を中心に地球が回っているんだ。
練られた文章が、小説内時間の一瞬一瞬を結晶化している。
インストール コレクターズ・エディション (2枚組) [DVD]
原作と流れはほぼ同じでしたが、映画化されたとあって上手く
エロティックな雰囲気、描写がふわふわと撮られていたと思います。
上戸彩ファンにとったら、たまらない作品なんだろうと思う。
子役の神木隆之介君の演技には驚かされるばかり。大人の様な冷たい
空気を感じさせる演技には、将来が楽しみな子役です。
原作にはなかった、後半の「光一」の展開と言葉が
映画化したことによって改めてこの映画のメッセージを強くした
のではないかと思う。朝子のような若者に向けて「こんなことを
していたって仕方がないよ」と言いたかったんだろうと思う。
最後以外は特に濃い内容は無い映画だと思う。この映画の目玉と
なっている、「エロチャット」も途中までしか頻繁に出てきません。
朝子のような若者が、この映画を見て朝子の気持ちに共感する
映画なんじゃないかな?と思います。
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全体的にさっぱりした作品で、自分は好きです。
コミカルな場面もあり、楽しめました。
残念だったのは、
かずよしの母親と雅さんのキャラが
原作のイメージとかなり違っていた事くらいです。