栞と紙魚子の怪奇事件簿 [DVD]
原作のファンだったのであの独特な世界を、どう表現するのか期待して見始めたら南沢奈央のアッケラカンと言うか脳天気な役柄に呆然としたが物語りをグイグイ引っ張っていき、テレビ版の世界観もありだなと思いました。 そして最後のどんでん返しはさすがに笑ってしまいましたが、理由よりも展開のシュールさを素直に楽しめました。ただ、原作を読んでから観た方が、楽しめると思います。南沢奈央のイメージは真面目でヒロイン然としたものでしたが、こんな明るい(脳天気)役もこなせる事に感心しました。そして何よりスラリとした脚線美を堪能できました。南沢奈央ファンは必見です!
彼方より (諸星大二郎自選短編集) (集英社文庫―コミック版)
独特のしぶいタッチと奇妙なストーリとその奥深さで一度はまったら病み付きになってしまう諸星大二郎の世界・・・
本書は過去30年の短編作品の中から、諸星自身が選んだ自選集の2巻目にあたります。(もう1冊は『汝、神になれ鬼になれ』)
●イオから戻った宇宙船。その宇宙船を中心として街に伝染していく奇妙な現象。。。これはユートピアなのか?・・・『生物都市』
●中国、晋の時代。山峡の河を登ると、そこに桃源郷があった。『陽』に満ち溢れ、『陰』を排したその村で、陶淵明が出会ったものは・・・『桃源郷』
●辺境の寂れた鉱山惑星。そこに降り立った男が見たものは、美しい若者たちと妖しく浮気な女たち、そして醜く枯れた嫉妬深い夫たち。やがて男は一人の女に引かれ始めるのだが・・・『男たちの風景』
など 10作品。
『生物都市』は、学生時代に読んで衝撃を受けた作品。ブラッドベリやディックといった一級品の短編SF小説と同質の味わいです。
他、強大な非日常(しかも歩く)をロードムービー的に追った『カオカオ様が通る』等、本短編集は、この短い紹介では紹介しきれないほど素晴らしい作品がそろっています。
絶対おすすめ!
ヒルコ 妖怪ハンター [DVD]
もっと評価されて欲しい作品です。少年の日の遠い夏の思い出的ファンタジーとスプラッター・ホラーとの融合が素晴らしい、上質のエンタテイメント作品だと思います。恥ずかしながら劇場公開の記憶が全く無いんです。主演の沢田研二も主役の少年も少女(この娘、その後どうなっちゃったんだろう?)も良いし、なんでシリーズ化されなかったのかなあ?? プロモーションが余程下手だったのではないかな。是非ご一見ください。
不熟 1970〜2012 諸星大二郎・画集 Morohoshi Daijiro ARTWORK
時系列で見れるので楽しい画集でした。
一時期、横腹のだぶついた熟女を描いていた時期があるのですが、
ページをめくって「キター」とかつぶやいてしまいました。
その後、今は、もう横腹のだぶついた熟女を描いていません。
暗黒神話・餓鬼の章 [VHS]
何という忠実で誠実で上質なアニメ化だろうか。
キャラクターデザインをみたときは原作そのままのグダグダな絵(ほめ言葉)に不安になったが杞憂だった。前後編併せて一時間半の「見事な作品」が現れた。どこもすばらしいが、餓鬼の動きとその強さは恐怖である。諸星世界を愛すると自認する方ならこの作品だけはなんとしても見ておかないと。こんな名作がDVD化もされず、このまま消えていくのはあまりに惜しい。たまらずレビューを書いてしまいました。あなたが、武ほどの時間をかけることなくこの豊かな作品を体験できますように。