スティーヴ・マリオット・メモリアル・コンサート [DVD]
誰がでてきて歌おうがマリオットを超えられるはずもなく、わかっちゃいてもあらためて彼の偉大さを思い知らされます。見所はHUMBLE PIEのずっしりとヘヴィでタイトな貫禄の演奏。これだけで買いです。☆4つです。当時の相方グレッグ・リドレーの渋い歌声がたまらんです。この日マリオットは遠くから観ていたかも知れないけど、PIEの時だけはステージに降りてきていたに違いない‥なんておとぎ話をしたくなるくらい男前のステージです。
スティーヴ・マリオット没後10年の2001年4月に開催されたメモリアル・コンサート。
スティーヴのキャリアの中で一緒にプレイしたケニー・ジョーンズ、イアン・マクレガンリック・ウィリス(Small Faces)、ピーター・フランプトン、グレッグ・リドリー、クレム・クレムソン、ジェリー・シャーリー、ボビー・テンチ(Humble Pie)をはじめとして、ビリー・ニコルズ(イミディエイト時代にビリーの曲「Would you Believe」をスティーブ・マリオットとロニー・レインで共同プロデュース)、スティーヴを敬愛してやまないノエル・ギャラガー、ポール・ウェラー、その他、ミッジ・ユーロ、ザック・スターキー、ジョン・ラビット・バンドリック、トニー・リヴァース、デボラ・ボーナムなど豪華メンバーによるトリビュートである。
勿論ポール・ウェラーの「Get Yourself Together」はかっこいいが、デボラ・ボーナムの歌う「I Can't Stand The Rain」P.P.アーノルド
withスモール・フェイセズで知られる「Groovy」、「Black Coffee」が
良い。しかし何といっても最高のパフォーマンスを見せてくれたのがピーター・フランプトン、グレッグ・リドリー、クレム・クレムソン、ジェリー・シャーリーの4人のハンブル・パイによる5曲。このパフォーマンスを見る限り、ハンブル・パイの21年ぶりの復活作となった2002年の
「BACK ON TRACK」にピーター・フランプトンも参加してほしかったと個人的に思う。
また、「Fool For A Pretty Face」のドラムはやっぱりザックよりジェリー・シャーリーに叩いてほしかった。(ザックが駄目というのではなく、パケット・オブ・スリー時代も含め、ライヴの定番のこの曲をスティーヴと一緒に長い間やってきたはジェリーだったのだから…。)また残念だったのは、イアン・マクレガンの喉のコンディションがいまいちだったこと。
不世出のミュージシャン、スティーヴ・マリオットの永遠の仲間と、多大な影響を受けた後輩たちによる愛情溢れるライヴである。