混沌大陸パンゲア
青林堂から最初に出たときには、「パンゲア」と言われれば思わず「アガルタ」と合いの手のように言わずにおれない、自分のような世代には正直「きつい」内容だったのですが、今回表紙の異なる本書で改めて読んでみると、その不条理や猥雑さ、禍々しさといったようなものを物語化する二項対立的な構図がひどく単純に見えて、以前のような負荷を自分のなかに感じませんでした。まず描かれていることのインパクトで読者を圧倒することで初めて成立する類いの作品は、もしかするとYou Tubuに慣れ親しんでいるような人には、その賞味期限が切れてしまっているのかもしれません。
1/1 ダンボール戦機W(ダブル) LBX 024 トリトーン&RS(ライディングソーサ)
トリトーンひとつとセットが同じくらいの値段でしたので、こちらを購入してみました。
トリトーン自体とてもかっこよく、組み立てやすいです。ポージングもしっかり決まります。
ライディングソーサは、直進と左旋回だけしかしません。が、2つだけだからこそ操作がちょっと難しく、思い通りに操作できたときとても嬉しくなります!
ただ・・・トリトーンの紙マントに驚きました。どれほどに紙かと言いますと、プラモデルを作るための説明書にマントが両面印刷してあり、ハサミで切り取って付属のシールと部品でつけるというほど。ここまで紙でできているとは。
紙だから好きなように曲線つけられるんですけどねw
ライディングソーサとCCMにシールを貼る作業が少し難しかったです。貼る場所も多かったので・・・。
でもやっぱりトリトーンはかっこいいですね。買って損はしてません。
四丁目の夕日 (扶桑社文庫)
山野一先生初の長編作品です。まず1986年に青林堂からA5版単行本が出版され、1999年には扶桑社から文庫版が出ています。最高傑作とは思わないけど、一般的に最も名が通ってるのは間違いなくこれ。
非現実な要素やあからさまなギャグは極力排除してあるようで、「混沌大陸パンゲア」や「どぶさらい劇場」など他の山野鬼畜漫画とは、かなり手触りが違います。そういう意味では、漫画という形で表現された、最も残酷な「人間ドラマ」の一つと言えるのかもしれません。
主人公の別所たけしは、零細印刷所を経営する家庭の3人兄妹の長男。高校3年生で受験を控えている。経済的な境遇は決して恵まれてないが、学業だけは特別に秀でている。有名私大合格はほぼ確実で将来は明るいと思われた彼だが、不幸が不幸を呼ぶ負の連鎖の果て、無間地獄へと堕ちていく事になる。
爆発事故、父親の死亡、借金の取り立て、職場でのいじめetc... 作者は苦難に次ぐ苦難を用意し、たけしを追い詰めます。たけしの親父さんの悲惨な死にざまは、中盤最大の見せ場です。また、やがて訪れる惨劇も身震いするようなシーンだと思うが、その後のエピローグの冷めた狂気にこそ、作者の真髄が表れているような気がします。
よどんだ風景、汚い工員がたむろする汚い食堂とか、絵が凄く雰囲気出てます。おかしくなった人間の表情や底辺の人たちの顔なんて、真に迫るものがあります。
ここに描かれてるのは、世の真理ってやつだと思う。這いつくばって生きてる人間の醜い姿や人生に意味など無いって事を、嫌というほど丹念に見せつけられます。たけしほどじゃなくとも辛酸嘗めさせられてる人なら、好き嫌いはともかく、何かしら感じるところはあるんじゃないかな。
家なき子レミ 1 [DVD]
原作は男の子ですが、今作はレミという少女が主人公です。
原作を読んだ事がある人は違和感があるんじゃないかと心配するかもしれませんが、まったくそんな事はありません。少女が強く生きてゆこうとする意志が全編に渡って感じられ、勇気が湧いてきます。世界名作劇場の最後の作品にふさわしい出来です。
常にレミは『前へすすめ!』と言います。
この言葉と共にいくつもの障害を乗り越えていくのです。見ている側もつい一緒に言ってしまいそうになります・・。どんな時も前にすすむ事が大切なんだと教えられました。
貧困魔境伝ヒヤパカ
人の負の部分をこれでもかと散りばめてあるが、読んでウツになるどころかこれでいいんだよなと妙に納得させられる。人生は綺麗ごとだらけではないし、むしろ人の負の部分がそこらかしこにあるけども現実世界では抑えなければいけない。この作品は負の部分を押し出して抑えないとこに良さがある。