辺境遊記 ―― キューバ、リオ・デ・ジャネイロ、小笠原諸島、ツバル、カトマンズ、サハリン、南大東島、ダラムサラ
○映画「モーターサイクル・ダイアリーズ」では、若き日のチェ・ゲバラの放蕩ぶりが良く描かれていたが、『辺境遊記』に出てくるキューバやリオでのクダリはこの映画を思い出させた。みんなブッキラボーで親切だ。
○下田さんの似顔が味があっていい。似顔の人が写真にも写っている場合があって、それを探す楽しみもある。写真がまた良い。暑苦しさやゴミゴミ感、アッケラカンぽさの中に全て「本気」が見える。場の持つ本気、気候がもたらす本気、そして本気なヒトビトの本気なまなざし。
○この本の真髄を見たコトバ「行ったからといってその国のことがわかるものではない。しかし、行かなければもっとわからない。どんな空気が流れていて、どんな人が住んでいるのか」帰国後、団塊世代人に偉そうにゲバラのことを聞かれた際の著者の感想だ。頭デッカチになってはイケナイ。
○ショックだったのはツバルの現状だ。ひとつはゴミだらけ、ということ。ひとつはこの国を台湾が支援しているということ。小国でも国連加盟国なので、台湾を認めてもらおう、という作戦のようだ。それと「沈む」ということに対してそれほど悲観的になっていないこと。ひょっとしたらこの国は沈まないのではないか。
○笑ったのは南大東島の民謡のオトッツアン。「子供?何人いるかな。五、六人。わからん」と。実際には七人いた。笑った。いいなぁ〜、こんな生活。
○小田実が生きていて現代版の「何でも見てやろう」を実践したら、この本に近いものになったのかも知れない。『地球の歩き方』の旅人もこれからは『辺境遊記』で事足りる。とにかく笑顔と暑さと人情がタップリのヨカ本です!
南大東島の人と自然(南大東島シリーズ1)
沖縄の離島のイメージで、
予備知識なく南大東島に観光旅行に行きました。
到着初日、島を散策してみて感じたのは
「ここは沖縄じゃないっ!!」ということでした。
気候は沖縄でも、建物や風景や言葉が、沖縄と違うっ!
集落の商店で販売していたこの本がたまたま目に留まったので、
購入して、早速、南大東島の勉強を始めました。
南大東島の歴史・文化・言葉、
それぞれの専門家が素人でも分かりやすい内容で解説してくれています。
解説用の写真も多く載っていて、さらりと読み切りました。
# 毎晩寝る前(1時間程度)数日かけて読みました。
島の背景を知ることができたので、
日に日に散策が楽しくなりました!
また、
巻末の観光スポット解説もお勧めです。
観光目的で南大東島に行く方なら尚更、読んでみてください!
島をより深く楽しむことができるようになります!!
---
ただ欲を言えば、地質に関する解説も欲しかったです。
# 島のほぼ全域の地下が鍾乳洞、、なのにその解説は殆どない。
この本はシリーズ1のようなので、
今後のシリーズで纏めてくれることを期待しています。
南大東島シュガートレイン―南の島の小さな鉄道
サトウキビを満載したトロッコが、ゆっくりと、けれど力強く南大東島を走り行く……。今はもう見られない、どこか懐かしい風景が紙面に広がる。鉄道、トロッコ、離島好きの人にはたまらない、貴重な写真集だ。また郷土の人や一度でも南大東島を訪れたことのある人にとっても、メモリアル的な1冊としてオススメできる。
著者の写真は、まだ撮影技術が未熟な若い頃に撮ったものが多いのか、初々しさが感じられる。ヘンに狙った構図ではなく、ゆったりと進むトロッコの「素」を捉えているという印象で、かえって好感が持てるのだ。構えずに、「安心して観て読める」作品集と言えよう。同じ南大東島のトロッコを扱った既刊本よりはるかに安い定価にも感激!