 
セメント樽の中の手紙 (角川文庫)
収録作品の中で特に『淫売婦』が良いです。初めて読む時はその凄惨さにジャック・ケッチャムの猟奇作品など連想しましたが、読み終えた時にはまったく別のジャンルに変わっていました。吐き気を催すような描写の連続にもかかわらず、むしろ読後感は爽やか… 日本にもこんなとんでもない作家がいたんですね。
青空文庫にも収録されていますが、それでも本棚に必携の一冊かと。
 チーフメートは、限りなき嫌悪の情を含みながら、ボーイ長をめちゃくちゃに、イヒチオールで塗りまくることを、(面倒臭いあまりに、そうするのではない)というふうにセーラーたちに見せたかった。(海に生くる人々/葉山嘉樹)
チーフメートは、限りなき嫌悪の情を含みながら、ボーイ長をめちゃくちゃに、イヒチオールで塗りまくることを、(面倒臭いあまりに、そうするのではない)というふうにセーラーたちに見せたかった。(海に生くる人々/葉山嘉樹) 淫売婦を筆頭に葉山嘉樹のプロレタリア文学作品を読む。当時の労働者視点で描かれた作品からは悲痛な弱者たちの叫び声が聞こえてくるようだった。
淫売婦を筆頭に葉山嘉樹のプロレタリア文学作品を読む。当時の労働者視点で描かれた作品からは悲痛な弱者たちの叫び声が聞こえてくるようだった。 さっき葉山嘉樹の「淫売婦」というのを読んだんだが、山野一は葉山嘉樹を読んでいたんですかね、特に「セメント樽の中の手紙」とか。
さっき葉山嘉樹の「淫売婦」というのを読んだんだが、山野一は葉山嘉樹を読んでいたんですかね、特に「セメント樽の中の手紙」とか。 だもんだから、近所隣で井戸を掘り下げると、そこで最初はおとなしく見物してゐるが、水気を含んだ土が出て来、土混りの赤又は黒の水が出るに及んでは、子供心に冷静を失つてしまふのである。 葉山嘉樹『井戸の底に埃の溜つた話』
だもんだから、近所隣で井戸を掘り下げると、そこで最初はおとなしく見物してゐるが、水気を含んだ土が出て来、土混りの赤又は黒の水が出るに及んでは、子供心に冷静を失つてしまふのである。 葉山嘉樹『井戸の底に埃の溜つた話』 葉山「宮地さんかっけー!俺もそういう説明したい!」宮地「おーおー、できりもんならやってみろ」葉山「じゃあ同じプロレタリア文学の〈葉山嘉樹〉紹介する!【文芸戦線】でプロレタリア文学の方向性を示した人!偶然俺と同じ名字!」宮地「説明は雑だがよく知ってたな…ちょっと見直したわ」
葉山「宮地さんかっけー!俺もそういう説明したい!」宮地「おーおー、できりもんならやってみろ」葉山「じゃあ同じプロレタリア文学の〈葉山嘉樹〉紹介する!【文芸戦線】でプロレタリア文学の方向性を示した人!偶然俺と同じ名字!」宮地「説明は雑だがよく知ってたな…ちょっと見直したわ」