俺たちに明日はない [VHS]
期待を良い意味で裏切ってくれた古典ギャング物
白黒の平坦な映画を想像していましたが、カラーで音響も良いです。
純粋なギャングに今でも魅せられる人は多いはず。
組織に属さないギャングの成れの果ては・・・
俺たちに明日はない [DVD]
フェイ・ダナウェイがすれっからしの恐いもの無し女をうまく演じています。髪型やトレンチにベレー帽は当時流行になったそうです。確かにとってもかわいいけれど。ストーリーはすごく単純でユーモアもあります。単純すぎるおバカさんな二人が銀行強盗を始めて、どんどんエスカレート。リッチな生活を夢見ていたけれど、銃撃戦、放浪生活、野宿、親に会えない。そして最後は有名なあのシーン。車ごと銃弾を雨あられと浴びて終わります。主人公達のあまりの罪悪感の無さ、根拠の無さ、軽い感じが現代の犯罪のようでちょっと恐い気もしますが・・・。そして、主人公達と一緒に犯罪を犯すとってもおかしな青年がいます。実はマイケル・J・フォックスはこの俳優さんが大好きで自分の芸名を決めたそうです。
俺たちに明日はない [DVD]
原題はボニー&クライド。大恐慌時代、実在した男女ギャングの壮絶な生きざまを描いた傑作である。ウエートレスのボニーは、クルマを盗もうとしたムショ帰りのクライドに偶然声をかけ、退屈な生活から抜け出そうとする。
最初、クライドが冗談半分でやったのは、ちんけな店の強盗。クルマであわてて逃げ出す。
序盤の「音楽」や「描写」はいかにもコミカル。
一度金をせしめた二人はもう引き返せない。簡単に金が手に入るという理由もあったが、ボニーが「スリル」に夢中になったのも大きい。とうとう銀行強盗で「へま」をやり、クルマに飛び乗った追手を撃ち殺し、正真正銘の「お尋ね者」になる。もう後には引き返せない。
後は強盗と逃避行の繰り返し。安住の場所などない。テキサスレンジャーを捉えて「記念撮影」をするなど、完全な英雄気取りである。(この行為が後々命取りになる!)
仲間の父親の「司法取引」で裏切られたことも知らず、ふたりはテキサスレンジャーが待ち伏せする場所へクルマを走らせる。悲惨な結末が待っていることも知らずに・・・
彼らのやったことは重罪である。しかし、心から彼らを憎めない。本当の「悪」には思えないからか。
俺たちに明日はない
今までの過激なイメージやどん底の闇をさらうような重さはなく、明快で分かりやすい。
歌世界は紛れもないPANTAX'S WORLDだが、アルバムの感触としては「走れ熱いなら」「反逆の軌跡」に近い。
タイトル曲はシークレットトラックの方が頭脳警察っぽい気がする。
制服向上委員会のコーラスは「仮面劇」時代を彷彿させて良い。
君たちに明日はない (新潮文庫)
’05年度「第18回山本周五郎賞」を受賞した、5編からなる連作短編集である。
村上真介は33才。リストラ請負会社『日本ヒューマンリアクト(株)』に所属している。今日も今日とて依頼先の企業の会議室を借りて、23才・美形のアシスタント・川田美代子を従えて、先方の人事部になり代わってリストラ対象者との面接だ。いや、面接とは名ばかりで、実際は自主退職の督促をするのだ。何人辞めさせたかという実績が、ヒューマンリアクトという会社に対する評価、ひいては会社での彼個人の評価にもつながるのだ。
相手先企業もさまざま。建材メーカー、玩具メーカー、メガバンク、コンパニオン派遣会社に音楽プロダクション。被面接者にしてみれば、人生の危機・ターニングポイント、養うべき家族もいれば家のローンもある。当然面接の場では修羅場が演じられる。
私もこの手の話には、年齢的にもまったく縁が無いわけではないので、何となくわが身に置き換えてみると、身につまされる。
ところが真介は、「おれはいったい何をやっているんだろう・・・。」と思いながらも、まんざらこの仕事が嫌いなわけでもなさそう。彼なりのポリシーを持ち、真面目に取り組み、事前の準備も怠り無く、きちんと仕事をする。実績も着実に上げているようだ。
反面、第1話で出てきた8才年上のリストラ対象の建材メーカーOLと、ちゃっかり恋人関係になってしまったりする。
本書は、リストラという今日的な重いテーマを扱いながら、村上真介というキャラを緩衝材にして、笑って、唸って、泣かせるストーリーに、上手く仕上がっている。