あさのりじ版「光速エスパー」は、雑誌「少年」に連載されていた当時、リアルタイムで読んだ。
あさの氏の作品は「発明ソン太」なども同じだが、不思議な曲線で描かれたメカが、実に生き生きとメカとして作品中で動いている。
少年心にも、面白い絵だと感じられたものだった。
大人になり、すでに少年の心をなくした私であったが、今再びあさの版「光速エスパー」を読む機会を得て、失われたものが戻ってきたように感じた。
今、このようなマンガはない。
マンガが子どものものであり、みんなが子どもの目線で作品を雑誌を作っていたことが、今になって分かる。
ストーリーの細かいつじつまなど、どうでも良いのである。
まず面白いこと、そして正しいものが勝つ、ということが大事なのだ。
徹底したデフォルメがされているのにもかかわらず、終始崩れないデッサン力による安定した絵柄。
昔のマンガ家より、多分今のマンガ家の方が絵はうまいのだろうが、余計なものを書き込まない、というのは、実はとっても難しいのだ。
なにしろ、ごまかしがきかないのだから。
エスパーが東芝のキャラクターであり、販促を兼ねたマンガ化だったことは有名である。
でも、のちのテレビドラマ化と連動して始まった松本版「エスパー」より、私はあさの版のほうがずっとずっと好きだ。
松本版よりあさの版が評価されない理由が、私には分からない。
単純な線、単純なストーリー、しかし、そこから飛び出す爽快感こそ、少年マンガの真髄である。
あさの版「エスパー」には、まちがいなくそれがある。
今では「アンパンマン」などの幼年向けマンガでしか見られなくなってしまった絵柄だが、かつては手塚、石森、横山、藤子諸氏の作品など、みんなこういう感じだった。
白土三平だって「ワタリ」や「真田剣流」のころはムダな書き込みはなかった。
久松「スーパージェッター」などもこの仲間だ。
みんな夢中になっていたものだ。
うん、実にヒーロー物に良く似合う。
初出 光文社『月刊少年』。エピソードの順番を入れ替えてないという推定で掲載号を書いてみる。 海底を行くの巻 1961年9月号 月人あらわるの巻 1961年10月号 立体インキの巻 1961年11月号 四次元西部旅行の巻 1961年12月号 地底世界への巻1 1962年1月号 地底世界への巻2 1962年2月号 インスタントタイガーの巻1 1962年3月号 インスタントタイガーの巻2 1962年4月号 交通戦争大作戦の巻 1962年5月号 磁力飛行機の巻 1962年6月号 無人島へ宝探しの巻 1962年7月号 沈んだロケットを探せの巻 1962年8月号 アフリカ旅行で遭難?の巻 1962年9月号 タケノコロケットの巻 1962年10月号 ソンタ・スコープの巻 1962年11月号 ニセサンタを捕まえろの巻 1962年12月号 ソンタラビット号の巻 1963年1月号 サイミン術強盗団の巻 1963年2月号 史上最大の捕鯨作戦の巻 1963年3月号 ソンタカバリカ号の巻 1963年4月号 ドッコイエキスの巻 1963年5月号 水を燃料に!の巻 1963年6月号 ソン太の昆虫採集の巻 1963年7月号 助けた亀につれられての巻 1963年8月号 ストップグラスの巻 1963年9月号
あさのりじの代表作のひとつ、「発明ソン太」ですよ。1981年に出た全2巻を持ってるけど、やっと念願かなって完全版。リアルタイムで読んだ記憶があるのは1964年の夏頃からなので、上巻に収録されてるのは以前の単行本以外では読んだことがないはず。で、読んでるとまったく記憶にない。ゆいいつ、ソン太ラビット号だけは覚えてたけど。前の単行本を掘り出してつきあわせたいが、どこに埋めたやら。
科学知識、時事ネタをちりばめて、メカや動物をシンプルな線できっちり描いてる作風が今読んでもすばらしい。科学解説マンガも多数手がけている人なので、そういう知識がこの作品にも生かされていると言うことかな。
ところで、中に出てくるモグラクターというメカは、これとそっくりなキャタピラ配置のプラモデルが数年後に出ているけどなんか関連があったのかなぁ。
この巻がマンガショップシリーズ407だそうで、全部買ってる人もいるんだろうなぁ。とてもついて行けません。そんな中でこれは無理してでもも欲しい作品だった。 無理して買ってよかった。満足です。
光速エスパーのエピソード一つ一つが、現代のアニメや特撮ドラマでは表現できないユニークな作品群ばかりです。
たとえば、真夜中に虹がでたり、太陽が潰れてたように見えるなどです。
宇宙からの侵略者・ギロン星人の作戦は予測できません。
ギロン星人以外の不思議な形をした宇宙生命体は見物です!
ウルトラマンシリーズのように、ほとんど怪獣はでてこないと思われるます。
放映当時は怪獣ブームでありながら、あえて巨大怪獣を出さないのが良い意味で大きなポイントです!
(唯一怪獣らしいのが異次元怪獣・グローブモンスターだけだと思います。)
宇宙をさ迷う宇宙生命体は、ウルトラセブンに出てこないようなものばかりが登場します。
この作品の最終回は、やや難解な部分です。エスパーは死んだのだろうか?
要するにウルトラシリーズと仮面ライダーシリーズの中間みたいな作品だと思います。
今の特撮ドラマやアニメでは、もう表現できないユニークなアイデアが、この作品の貴重なところだと思います。
ウルトラシリーズや仮面ライダーシリーズと大きな違いは、さまざまなユニークな形の宇宙生命体が
想像もつかない方法で地球を侵略するところです。
初めて見る人なら、先が見えない脚本が多いです。
エスパーにたずさわった脚本家の苦労を感じさせる作品です。
10年前に「光速エスパー」のDVDを買いそこねました。
で、この10年間後悔しましたが、今回は最後のチャンスと思い、必ず買いたいと思います。
単なるヒーローものではなく、立派なスペースオペラとしてなりたっていると思います。
まだ見たことない人でも、昭和の時代を感じさせるレトロな作品ではなく、新鮮な印象を受けるのは間違えないです。
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