『スラッシュ・メタル四天王』(ちょっと懐かしい言葉ですね)ことメタリカ・メガデス・スレイヤー・アンスラックスが出演したブルガリア・ソフィアでのライヴを収録したDVDです。
『彼らの共演といえば遥か昔「クラッシュ・オブ・タイタン」というイベントがあったなあ』などと感慨にふけってしまいましたが、あれから20年近くが過ぎ、メタルを取り巻く状況が激変した現在でも、彼らがシーンの第一線で(浮き沈みはあったが)頑張っている姿は見ていて頼もしい。
達人ドラマー、チャーリー・ベナンテを筆頭に相変わらずテンションの高い演奏を展開するアンスラックスは、スコット・イアンのリフの切れ味は勿論健在、復帰したジョーイのヴォーカルもまずまず。『インディアンズ』にサバスの『ヘヴン・アンド・ヘル』の一部をインサートし、急逝したロニー・ディオに捧げるシーンは胸を打つ。
エレフソンが戻ったメガデスも、悪天候(彼らの演奏中だけ豪雨となった)をものともしない熱演。マーティ、ニックは居ないが新加入の二人も実力十分、インテレクチュアル・スラッシュメタル(これも懐かしい言葉だ)と呼ばれた複雑極まりない構成の楽曲を余裕綽々で演奏する。リーダーのデイヴ・ムステインは相変わらずカリスマがあり、見るものを惹き付ける。かつては観客を突き放したようなパフォーマンスが定番だったが、『ア・トゥール・モンド』では客と一緒に歌う場面もあって興味深い。
遮るもの全てをなぎ倒すようなスレイヤーの演奏も素晴らしい。昨年の手術の影響なのか、殆どヘッドバンギングをしないトム・アラヤの姿に多少の違和感は感じるが、迫力は健在。スレイヤーの場合、『特別なお祭りイベント仕様』ではなく、いつもどおりのセットとパフォーマンスに徹しているのが『らしさ』を感じさせる。ロンバードのドラミングは驚異的。
トリを務めるメタリカはさすがの存在感で、『大看板』の貫録充分だ。最新作の出来が良かったこともあって、セットリストも悪くない(『ブラッケンド』が聴けたのは嬉しい)。今の彼らは楽曲も演奏も厳密には『スラッシュ』ではないのかもしれない。だが観客を巻き込み、歌わせ、暴れさせるエネルギーとパワーは文句なしに最高レヴェルだ。特にジェイムズ・ヘットフィールドの歌心溢れるヴォーカルは味わい深い。デビュー当時『あんなの叫んでるだけで歌とは呼べない』等と評されていたことを考えると、隔世の感がある。ラーズのドラムは時にリズムが怪しくなるが、それも含めて個性といえなくもないか。ロバート・トゥルージロのベースの頑張りが目立つ。
そして最大の見せ場となっているのがセット終盤、BIG4のメンバーが合流して演奏する『エム・アイ・イーヴル』だろう。演奏後にラーズやジェイムズと抱擁を交わすムステインの姿は、これまでの経緯を知っている古参メタル・ファンには本当に感慨深いものがある。
同時期に発売された輸入版ブルーレイと比べて画質・音質では劣るが、4バンドの演奏を収録したCDが4枚付くのはポイントが高い。特典として4バンドのカラー・フォトとあるが、実際にはモノクロ写真がプリントされた単なる厚紙なので注意が必要。値段は高いが、ライブCDを4枚買うと考えれば割安ともいえるので甲乙付け難いところ。マニアならBD版と両方買いもアリか。
かつてシーン内で異端視されたバンド達が紆余曲折を経て逞しく成長し、そして辿り着いたひとつの到達点。古参のメタル・ファン諸兄には絶対おすすめの内容です。
ベラドナの復帰作とゆうことで期待して聴きましたが、前半~中盤には『パーシスタンス~』以前のベラドナ在籍時の面影がうかがえる曲もありますし、ファストとまではいかないものの、それなりに勢いもあるので初期の頃のアンスラックスが好きな私としては大変満足です。 ベラドナ在籍以前と以後のサウンドを巧く融合していると思う。 後半は少しダレますが、ヴォーカル交代後1作目としては十分及第点に達していると思います。 それにしても、アンスラックスってメタルであって、メタルでないとゆうか独特な音を出すバンドです。
絶頂期の彼らのライブとバックステージの様子が堪能できます。 ライブではクレジットに載ってませんが"Got THE TIME"も見ることが出来ました。
出番前にフランキーとスコットがMadonnaのHolidayを口ずさんでたり (フランキー、歌うまかった!!)、ダンはもうこのころからマッチョっぽかったり、 Public Enemyとの共演もカッコよかったです。
ジョーイ在籍時は本当に"楽しい"&"何でもあり"&"笑わせてナンボ"のバンドだったなと改めて思いました。 このライブの約4〜5か月後にジョーイが解雇されたのかと思うとなんか切なくなってきた。
目玉はdisc2のDVDでしょう。長らく廃盤だった「OIDIVNIKUFESIN」の初DVD化は大変うれしいのですが、如何せん画質が海賊盤なみです。 多分マスターが紛失しビデオからの板起こしでしょう。もちろんカメラワーク、録音などはプロの仕事ですので、全く見れないというほど酷くはないです。 DVD化しただけでも良しとしましょう。
80年代、メタルに嵌ったものとしては、90年代のジョンのボーカルは違和感がありました。(パンテラみたいになっちゃってましたから)やはりアンスは、ジョーイでなければ。これを見て、久しぶりにMOSH!しましょう!
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