一定のテーマを設けることはせず、現在の日本文学を代表する7人の作家が、それぞれのテーマで書いた作品を提供しています。
そのため、ありがちなアンソロジー物のような「全体としての統一感」はありませんが、色々なタイプの作品が楽しめるというメリットはあります。
ただし、作品によって好みや評価が分かれるとは思います。
個人的には、伊坂幸太郎・有川浩・本多孝好など、馴染みの作家と並んで、読んでみたいと思っていた道尾秀介・米澤穂信の作品が入っていたので、「新規開拓の入門書」としての役割は大きかった。
期待どおり、道尾さんの「光の箱」は面白かったです。
他の作品も読んでみようと思いました。
Story Seller 2も楽しみです!
遥か2の外伝で、同じ四神同士の2人が主役となる中編小説です。 内容は、玄武組「地獄絵」朱雀組「夢路にて」 白虎組「馬盗人」青龍組「妄執の檻」の4本。 内、前3本は「はるか通信」「ネオロマンス通信Cure!」に連載 していたものの収録ですが、青龍組の1本は書き下ろしだそうです。 1話は泰継さん、2話はイサト君、3話「馬盗人」は幸鷹さん、 4話では勝真さんの視点で話が進みます。 私的には、特にイサト君と勝真さんの心の葛藤みたいなものが ちゃんと書かれているのがとってもお気に入りですね。 あと、意外?に相手のことをみている泰継さんもv 挿画もとても格好良くて、何よりお話の雰囲気にピッタリですし☆ ですが。 星4つなのは、外伝ということだからでしょうか、 紫苑君や、アクラム様やシリン、和仁様や時朝が登場しない事が・・泣 まぁそれはそれで良いとも思うんですが、 個人的にアクラム様や宮様が好きな私にとっては残念だったので。(笑) 何はともあれ、買って損はないです!
100%満足出来ない。この手の小説は、そう言うものですが… 原作を知ってる人にとってはとても楽しめる内容。 普段、一緒に行動する事のなさそうなペアで敢えて書いていると言うのが良い。 1話目が詩紋&永泉、2話目が泰明&天真、3話目がイノリ&友雅、4話目が頼久&鷹通。 この珍しいペアだからこそ見えた、その人の普段とは違う一面…それが読めるだけでもファンにはたまらない。
正直な話、序盤からいきなり話に入り込めたわけではありません。 そもそも、ロードレースの「アシスト」の役割を、誇りを持ってこなす選手の気持ちがその時はよくわからなかったせいか、なかなか話が頭に入ってきませんでした。 それでも読み進められたのは、「エース:石尾は何を考えているんだろう」という興味があったからだと思います。
しかし途中、その「アシスト」である主人公:白石のヨーロッパ行きへの欲が出てきたあたりから、ロードレースにおける「アシスト」の存在価値がだんだんと私自身も理解でき、それに従って話に入り込むことができました。 著者の細かなレース模様の描写は、私のようなロードレースを全く知らない者をその世界に引き込むのに十分すぎるものでした。 終盤に出てくる「勝利はひとりだけのものじゃないんだ」という言葉は、ロードレースの根底に流れる精神なのでしょうね。
ただ、帯に書いている「ミステリ」の部分は、本当に終盤にならないと出てはこないです。 そこまではミステリーというよりも、「ロードレースに関わる人間模様、心理模様」を垣間見ることが出来、その世界に入り込める小説として接していたため、急激にミステリーの様相が出てきたことに驚き。 そして真相が全て明らかになったとき、後味の悪さもあり、「サクリファイス」というタイトルと深く結びつく内容に胸が締め付けられたこともありと、いろんな意味で心にズシンと来る1冊でした。
主人公、鈴音は脚本家として活躍する36歳。 男はいないものの、仕事もそれなりにあり、順風満帆といえる独身生活を送っている。
そんな鈴音に、10年ぶりに会う高校時代の友達、水絵がリストラされて、 家賃も払えなくて、子連れで、、 お願いだから1週間だけ居候させて欲しいと頼ってくる。。。
ここまでの鈴音の助ける?助けない?という心の葛藤、 また水絵の連れている7歳の息子の存在・・・ 私だったらどうするか? もう、ドキドキしながら読み進めるのですが、、、 この後、同居を了承してからもすごい。
だんだん図々しくなっていく水絵と、イライラしながらも水絵に同情する鈴音。
もう、読んでて腹が立って腹が立って!! 一気に最後まで読み進めてしまいました。
独身時代、ガッツリ仕事をしていた身としては、どうしても鈴音の気持ちに寄り添ってしまうのですが この物語のすごいところが、腹立ちながらも、水絵の気持ちもなんか分かる、、 と思わせてしまうところ。
いやー、読んでてホントイライラしますが、お勧めです。
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