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この本に収録されている「アタッシュケースの男」「椅子こそ我が命」
 をかなり昔に読んで面白く、懐かしさもあって購入しました。
 
 随所に、山上キャラクターが登場し、
 「ああ、このヘンが『ガキデカ』につながるのだな」
 などと思わせるシーンやエッセンスが散りばめられており、
 そのヘンを探しながら読んでみるのも
 楽しいかもしれません。
 
 amazon.の「内容紹介」に、
 「山上たつひこの最高傑作が『完全版』として復活!」
 とありますが、これはややオーバーだと思います。
 ストーリーが粗く、傑作「喜劇新思想体系」のような
 レベルではありません。
 ただ裏返せば、この荒っぽさが、当時の若き山上氏の
 エネルギーの表れなのかもしれませんが。
 
 山上ファンなら普通に楽しめるレベルだと思いますが、
 どちらかと言えば、愛蔵版・コレクションとして
 買いおくイメージだと思います。
 
 
   
38歳、妻と小学生の息子一人の家庭を抱えたサラリーマン・こまわり君の現在を描いた作品だ。
結論から言えば、かつての『がきデカ』のノリでこまわり君のギャグ連発を期待すると、その期待は
 裏切られる。もちろん随所に昔を懐かしめるカットや今に置き換えたギャクも多々挿入されているが、
 この作品はもはや単なるギャグ漫画のジャンルに留まらない、ある種の暗さを湛えた成熟した大人
 の漫画になっている。
 
 少年時代、ボクたちは『がきデカ』ワールドの中でこまわり君たちと生きていた。その頃は人の世が
 これほど奥深いとは知らぬまま・・・。そんなボクたちが大人になって世の中というものを知り、日々
 その現実と対峙している。そしてこまわり君も同じように成長をして、同時代を生きている。ボクらも
 こまわり君たちも、もう昔の姿のままではないし、昔の姿に戻ることはないのだ。この作品ではその
 現実から目を背けられないということを思い知らされる。
 
 多分そのこと自体は良いことでも、悪いことでもないのだろう。ただ私はこの現実感、リアリティを
 感じさせてくれる『中春こまわり君』という作品が自分の人生を記録した1ページのように感じられ、
 ただただ愛おしくて仕方がないのである。
 
 
   
かつての『がきデカ』シリーズを読んだ経験があって、当時の登場人物のキャラを知っていると、目が離せなくなるくらい面白い。
あの自分本位で傲慢なこまわり君が、こんな大人になったのかと思った。外見はあのままだが、何故か哀愁が漂っている。こまわり君同世代として、大人になるって切ないと感じた。
 
 
   
テープの音源がなかったのか、ソノシートからのリマスタリングのようで、プチプチノイズが少し入っています。
でも、これが聴けるなので、すごすぎ!
 
 井上陽水の「桜三月散歩道」が聴きたかったのだけど、他の曲も、すごくいいです。
 
 
   
「こんな漫画初めて見たよ!」と息巻くほどエポックメイキングでもないんだけど、独特な漫画。
 表題作の「主婦の生活」は題名通り主婦の昌代さんが生活の中で起こる様々なトラブルを解決していく話。全三話。
 主婦の実生活に根ざした、調理用具だの家の新築だの今日の献立だの
 から非日常に向かってく様が見事ですげえ話に惹かれる。
 「ごめん下さい」っつう、これまた若い夫婦と姑の掛け合い漫画が2話同時掲載されているけれど、個人的に面白さは主婦の生活程でなし。 どっちも面白いけどね。
 
 
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