いや〜楽しかった。
久々に通勤電車がもっとゆっくり走ってくれと思いました。
2009年から2011年にかけてのオール讀物に掲載された4編
非常に科学的展開のなのに、どんでん返し的かつ歴史的文脈が楽しい。
ネタばれになるので、アラスジなどは書かないけれど、単なるエンターテイメントではなく
現代社会に対する風刺作品でもあるように思う。
次回作も大いに期待したいのである。
2つの中編小説を併録しているが,「スターバト・マーテル」は結構深刻な話であるのに対し,「エメラルド アイランド」はドタバタ喜劇で,傾向は全く違う。敢えて言えば,若くはない女性が主人公であることと,海外への単身赴任が長い中年男性が出てくることとが共通点か。 私は,気楽に読めたという点で「エメラルド アイランド」が好き。披露宴を兼ねた新婚旅行だというのに,新郎を全くほったらかしにして自由気ままに振る舞う新婦とそのママというキャラクターが,非常にリアルに描写されていた。いくらフェロモン系でも,こんなのと結婚したら大変だと思うのだが……。
発展を遂げた団体が、今度は破滅していく様を描いた下巻。
教祖の正彦の思いとは違う方向に、どんどん堕ちていく。
ここが凄い…。
いったいどうやって結末を迎えるのかと、ページを捲る手が止まりません。
信者からも見放され、落ちぶれて、また一文無しになる正彦を予想していましたが、そんな簡単には終わってくれませんでした。
正彦の思惑からどんどん離れ、信者の中でどんどんと違うものに成長し暴走していく。
想像以上に悲惨な最後でした。
新興宗教の様々な事件が起こるたび、感じていた疑問。
何故、人が宗教に頼り、落ち、狂っていくのか。
その様子がありありと描かれ、疑問の一部を解いてくれました。
本書に描かれた様々な信者たちの姿が非常にリアルに感じられたのは、著者の取材力と描写力の為せる技でしょう。
とにかく凄い作品でした。
上下巻、900ページ超ですが全く飽きることなく、一気に読みました。
信仰とはなにか、死んだらその先はどうなるのか、死者と残されたものはどうつきあっていけばいいのか。特殊な能力を持っていたらしき作家、泉の行方を捜す編集者とともに旅をしている気分で、グイグイと引っ張られるようにして読んだ。作中作の泉の作品同様、凄い迫力。ただ、最後の最後で、なぜ小説を書いてもらわなければならないのか、わからなくなってしまった。オーラスで置いてきぼりになってしまった自分の理解力のなさが悲しい。
伝説のラリー・レヴァンについてのインタビュー満載だ。
NYディープハウスの重鎮達が語るダンスミュージックの魅力。
これを観るたびに思う。
こんな言い方しかできない。
音楽は素晴らしい。
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