作者の6作目にして平仮名名義での初作品との事。名義変更による作風の変化はなく、物静かな雰囲気の中で交わされるほんのりとした愛情が甘い短編が11編収録されている。何と言うか、目立たないんだけどちょっと気になる美少女みたいな、多くの人にはなかなか気付いてもらえないが波長が合うと俄然存在感が増すような、そんなポジションにいる作風に思う。なので、こうした「知る人ぞ知る」ところが魅力でもあるし欠点でもあるのかもしれない。ハッピーエンドばかりで良好な展開だが、ぐっと突き抜けたものがないのも事実。この小粒感の払拭が今後の課題の1つかもしれないが、何しろ遅筆っぽい作者だし、このテイストは作者そのものから滲み出る優しさだと思うし、第一ファンが(どれだけいるのか不明だが)この作風というかポジションを是としている中で大きな変化を本気で目指すのであれば、既存の読者層をないがしろにするくらいの大胆な路線変更が必要であろう。この特徴的かつ独創的な美麗描写をもっと多くの人に知ってほしいと切に希望しつつ、メジャーにはなってほしくないような、失礼な例えだがB級アイドルを愛でるような感覚を抱かせる作風だと思う。このテイストに見合った、極めてソフトな情交描写でもある。
16頁の作品が11編収録された短編集。前半の作品群に風呂場から情交が始まる類似性を若干感じるものの、相変わらず安定したゆうき作品的穏やかな愛情物語が描かれている。義兄妹や従姉といった相姦の背徳性を感じる作品も見受けられる。後半にいくとオフィスを舞台にした作品が幅を利かせ、ロングの髪型でビシッとスーツをキメたお姉さんがわんさか出てくる。閉じ込められたエレベーター内で全裸にハイヒールだけの御姿で後背立位という、ベタながら実にそそられる情交も艶めかしく描かれている。こうした女性陣の美麗さや妖艶さが尋常ではないのだが、女医にして主人公の学生時代の先輩というキャラが、珍しくも短い髪型でお姉さん、それでいて実に美しいという特異性を発揮していた。
ただ、ちょっと気掛かりというか、今となっては手遅れというか、作品の構成として気になる点が見受けられる。16頁という限られた中にもかかわらずなかなか結ばれないため、情交シーンに最後の最後まで費やしてしまい、割を食った形で結末を最後の数コマ、場合によっては1コマで終わらせてしまう“悪癖”が、幾つかの作品に出始めているのである。作者自身が自覚しているかは定かではないが、少なくとも目下の最新作『誘惑という名の愛』を読んだ諸兄であれば、このパターンに気づくと思う。これだと何故か話が面白くなくなる。急に尻切れトンボ的な終わり方をされるからである。もう少し早めに交わり始め、最後に余韻を残すような構成を維持してほしいものである。
ゆうきともかファンならば外せない1冊であること間違いナシ!
この作者の作品は画もキレイで外れはないのだが、アダルト商品独特の厭らしさもなくてとても読みやすいものでした。
収録内容
・MENS JOB
撮影中に鼻血を吹いて倒れた新人アシスタント、そんな彼に女優が・・・
・ふたりだけの絆
8年前高校時代に出会った田舎の少年に告白され・・・
・始まりの夏
いまだにキスもしたことない彼女をとっておきの場所に連れ出したのだが・・・
・教授・その愛
アダルトグッズを開発する教授に助手の美咲が告白を・・・
・その気にさせないで
やる気の無い生徒がやる気を出す為に出した条件に女家庭教師は・・・
・愛は煙草の彼方に
チェーンスモーカーの修が一ヶ月タバコをやめたら何でも言うことを聞くといったサツキに修が出した条件は・・・
・恋をしよう
手すらまともに握ったことの無い彼女と二人だけの旅行に・・・
・夢を一緒に
会社で出会ったバイトの娘に誘われ、プールへ・・・
・一年目の二人
つきあい始めて一年目のプレゼントに彼が彼女に渡したものは・・・
・愛情のカタチ
マンガ家の彼女と付き合う普通のサラリーマンの彼、そんな二人の夜は・・・
全編女性キャラはちょい巨乳系ですね、そして全編ハッピーエンドになっています。(陵辱系が苦手な方にお勧め)
個人的お気に入りは愛は煙草〜ですね、煙草を吸う彼女に煙草をやめさせるために自分が禁煙する男の努力する姿がいいですね。
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