この映画は管理社会に対する不満と管理社会による安堵感をうまく描いた傑作ともいえるでしょう。管理される事によってまた管理社会の中にいることによって安全という保障が得られると同時に自由に対する束縛やプライバシーの侵害という問題が生まれてきます。この映画はそれらによる疑問を投げかけるだけでなくそれによって愛までも制限されてしまう。という新鮮な問題を扱った最初のSF映画ではないでしょうか、主人公の男とルームメイトの女の禁じられた愛のゆくえもこの映画の一つの見所です。最近上映されている「コード46」という映画の設定もおそらくこの映画が基礎になっているのでは?
ディレクターズカット版には、ルーカスお得意の追加シーンや修正カットが随所に施されていて、スターウォーズを彷彿とさせます。
しかし、作品的には地味で刺激が少なく難解なため、普通の作品を求めている方には厳しいかもしれません。
逆にルーカスのファンであれば、音声解説などで彼の別の面を知ることができ、非常に興味深く観られます。
いずれ彼の新作でも、こんな小規模な作品が公開されるかもしれません。
但し、BD版の購入には注意が必要です。私のプレイヤー(東芝SD-BD1K)では全く再生ができませんでした。
「アバター」でも再生できたのに、まさか「THX1138」で駄目とはびっくり!
保証期間中だったので、販売店へBDソフトを持参し、動作確認をした上で別のプレイヤー(パイオニアBDP-430)と交換してもらい、
やっと観ることができました。その時、店頭で再生できない機種がもう1台ありました(機種名はわかりません)。
まあ、この作品の購入は、いろんな意味で賭けですね。
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