90歳(あるいは93歳)になり老人ホームで暮らす気難しい老人、Jacobが、自分の人生を回想する形で物語りは始まる。あと10日で名門コーネル大の獣医学部を卒業することになっていたJacobに、人生を変える悲劇が訪れ、Jacobはとあるサーカス団で動物の世話係として働くことになるが・・・。
Jacobのサーカス団での様々な経験にどんどんと引き込まれていく一方で、時々物語は93歳のJacobに戻るのだけれど、この戻り具合がなんとも絶妙のタイミングでニクイ!サーカスでの逸話や恋愛模様はそれだけで魅力的なものだけれど、私は「老いたJacob」が、半ばあきらめながら、でもあきらめきれずに時に憤りながら、「老いるということについて」語るのにも結構惹かれた。老いって、怖いなと思いつつ。
巻末インタビューにもあるように、著者がじっくりとサーカスについてリサーチしたことをうかがわせるエピソードや描写があり、説得力があるがゆえに、勢いというか、力強さがあると思う。加えて、JacobとMarlenaの関係も上手く描かれていて、胸キュンポイントもばっちり!
泣けるところでは泣き、笑えるところでは笑わせてくれる、そしてまた、人生について、老いについて、愛について、考えさせてくれる作品。
英語は、「簡単」と聞いていたけれど、確かに一文は短くて単純な文は多いけれど、サーカス用語(?)にとまどったのと、会話文がカジュアルで一般的な日本人英語学習者には分かりづらい(いわゆる、1930年代の労働者階級の話し言葉なので・・・)という難点はあると思う。この時代特有の語彙・表現などもでてくるので、その当たりは辞書をひく必要がでてくるかも・・・。でも、文法的に難しいということはなかった。
ロバート・パティンソンの主演が決まったからという理由だけで読んだ本だったのだけれど、とてもいい作品だったので、なんか得した気分!
このシリーズのカレンダーが好きで、今年も早速買いました。
似たようなものを使ったときもあったんですが、何か物足りなくて、戻って来てしまいます。
このカレンダーの魅力は、やっぱり写真の良さだと思います。
よくある風景写真のカレンダーって、何か写真が薄っぺらいことが多くないですか?
このカレンダーは、見ていると、その景色に広がりを感じるんです。
それぞれのポーチに、何気なく置かれた椅子に座るのを想像すると、平面的に風景を見るだけじゃなく、空気を感じながら、ゆったり周りを見回している気分にさせてくれる、素敵な写真なんです。
そういうカレンダーって、ありそうでなかなかないんですよね。
そこだけに違う世界が広がっているようで、見るのが楽しみなカレンダーです。
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