よく電気は足りないので節電する様に言われます。
でも、闇雲に「節電」しても、実はあまり効果なかったりします。
この本を読むと、そんなに無理をしなくても、日常で熱を扱う家電の使用に気をつけるだけで、大幅な省エネが出来る事が良く分かります。
また、電気が足りないといっても、時間や季節によっても大きなムラがあり、そのピークを除けばむしろ電気は余り気味であるという意外な事実も、とても分かり易く説明されています。
原子力を進める一方で多くの火力発電を休ませているのも、人々の知らない事実だと思います。これを読めば原発は必ずしも必要なものではないという事が分かると思います。内容や説明も平易で、図やグラフを使って具体的に語られており、お薦めの本です。
憲法成立の過程を追った古関彰一氏の原作?がまず貴重な研究資料であると思います。
古関氏は平成12年の3月に第147国会の憲法調査会の参考人としても招致されておいでですが、当時の日本政府・民間・そしてGHQを中心とする連合国側の人々それぞれの動きを資料で客観的に追跡する内容です。この点で関心のある方にはご一読をお勧めします。
しかしこの劇画版について言うと、勝又さんの絵がまた素晴らしい。
単に原作をわかり易く読ませるというレベルではなく、それだけで一個の独立したゲージツ的世界を作り上げているように思います。
松本烝治さんが食べる雑煮のおモチの伸び具合、憲法研究会の鈴木安蔵氏の家を訪ね低い鴨居をよける米国人記者の頭のかしげっぷり、真夏の小委員会室の氷柱と扇風機、…などなど、実際に見てきたような細部が描きこまれ(勝又さんの絵自体は細密画風ではなくほのぼの系なのですが)、自分もその場にいるような、障子の桟・畳・ホーローの洗面器といった小道具のぬくもりや手触り、匂いまで伝わるような不思議な情感に満ちており、いとおしいような昭和ニッポンの生活が描き出されています。
古関氏のあとがきの、勝又氏との仕事に触れたくだりもまたちょっと良いです。
大人はもちろん、中学生くらいから関心があれば十分読めます。(年代相応に100%の理解は難しいかも知れませんが)
なるべく多くの日本人に(日本人じゃなくてもいいのですが)お勧めしたいですな。
小、中、高校時代何度の読み返し、そしてこれを題材にほぼ毎年読書感想文を書いてきました。久しぶりに読み返してみると、熱いものがこみあがってきます。夢を持って生き、それを貫き通す難しさや辛さ、そして達成したときの充実感と喜びを、この本を通して子供たちに学んでほしいと思います。
あまりにエネルギーに満ちあふれすぎていて逆に落胆した。
表紙の絵柄とコメントを寄せている水木しげる、
つげ義春のようにホンのちょっとの距離感を持った作風を期待してしまったから。
全ての着地点があからさまに生と性なところが1960-70年代高度成長期でくたびれた都市生活者の、
農村や"古き良き日本"的生命力への幻想を感じさせる。
このあたりを今どう受け取れるかによって評価が変わると思う。
個人的にはあけすけと言うかあまりに計算が見えてしまって興ざめしたので☆3つ。
あと巻頭の作品の核心部分はどう見ても紅い花の翻案だろうが、
完璧に形作られた世界に対して余計な手を加えてしまい台無しにしてる。
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