本書は、義経や吉原などを描いた作品がある著者による
江戸時代を舞台にした連作コミック。
体格がとても立派な豪商の娘と
落ちぶれた武士の間に芽生える恋心(『木守り』)
父親が切腹し、吉原に売られた武家の娘と
放蕩が過ぎ、遊郭の樽に閉じ込められた自称「大店の跡取り」を描いた『寒露梅』
―など、町人や武士たちの恋や家族のきずなを、
情感豊かに描いた4編を収めています。
表紙を見てもわかるように、本作は絵がとても美しく、
ふすまや登場人物たちの着物の模様などは、
ずっと眺めていたくなります。
また、人物造形や心理描写も繊細で、
一コマの中に、登場人物たちの複雑な想いが凝縮されています。
とりわけ、迷子の少女と彼女を預かる町名主の家族を描く『迷子石』は
少女の表情がとても切なく、強く胸を打ちました。
ストーリーは決して軽くはありませんが、
時おりはさまれるユーモアやさわやかなラスト、
そして何気なく描かれる後日談に、読者すらも救われた気持ちになる本作。
著者や少女マンガのファンに限らず、
時代小説が好きな方など、一人でも多くの方に読んでいただきたい著作です☆
見た目艶やかな遊女の、人知れない哀しさを見た。 どのお話もそうなのだが、特に妹の薬代を稼ぐために身売りする姉の話には、見返りを期待しない献身的な愛を感じ、非常に共感を持った。好きな男以外に抱かれても、決して自分を見失わない、そんな彼女たちが素敵です。 表紙に惚れて衝動買いしたが、買ってよかった。 著者の他の作品も、次の日に揃えてしまった…。 絵がとても美麗。 表紙に騙されないので、興味があればお手に取ってみてください。
この本は義経だけではなく、義仲、与一の三部構成になっています。それぞれオリジナルの要素が入っていますが、どの恋のお話も
素敵な仕上がりとなっています!!
とても丁寧に描かれていて、作者の意気込みを感じました。
ちょっと人物が現代調だったりもしますが、久しぶりに歴史漫画を
楽しむことができました。
特にどれもお勧めですが与一の話しが一番好きです。
読んでいると静のけなげな姿には心を打たれますし、巴の強さも
素敵だなと再確認しました。
素直に楽しめる作品ですよ。
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