日本神話と言えば古事記であり日本書紀である。しかし、記紀の2書でさえ、内容には食い違いがあり、日本書紀に至っては話の筋の一本化すらされていない。神話について全くのシロートだった私が自分なりに勉強をし始めた時、最初に驚いた事だった。さらに地方の風土記にはまた違った話があり、もっと言えば地方地方に伝わる伝説や昔ばなしの中にも神話の断片が隠れている。そんな、日本の神話のあり様は、まさに八百万といったところか。風土記に触れるということは、実は日本神話の多様性の世界に脚を踏み入れることなのかもしれない。 さて、古事記と日本書紀はいろいろな形で出版されており、自分にあった一冊を選べばよい。しかし風土記となるとぐっと選択肢が狭まる。それも出雲国などであればまだ他にも選びようがあるだろうが、逸文として断片的にしか残っていない地方の風土記となると、手軽な掲載書籍はこれくらいしかないのではないか。 個人的には、521頁におよぶ本書の中で、日向国風土記逸文について書かれた2頁半のために購入したと言って過言ではない。現代語訳のみで、原文無し、解説もなしなのは少々さびしいが、それでも手軽に入手できる出版物として現にあることを幸いとしなくてはならないのかもしれない。
全体に優しく郷愁を誘います。
姫神ってイメージの割に意外とそういう曲調は少ないかなと思いますが(曲名はともかく)。
このアルバムはどんぴしゃり田舎を想像させます。 (雪国育ちの私は雪譜もそうですが)
やはり名盤と言えると思います。
個人的に癒しのツボではないので星一つ減です
各段ごとに、訓み下し文、現代語訳、注、解説を施す丁寧な構成。
現存する風土記の中では地域の伝承を最も豊かに語ったものだと思います。中には当時の人々を伝えるものも。歌垣に関するものはその代表例。また日本最古の貝塚の記述も。きっと古代の人々は、誰がこんな大きな貝殻の山を作ったのか不思議だったんだろう、と思ってニヤリ。
『記紀』の神話伝承とともにぜひご一読を。
古事記の現代語訳として、読みやすい著作。一回は通して読んでおくのがいいと思う。
何年か前にはじめて読んだときには系図のところが冗長で、物語の部分は不可思議で、歌謡の部分は曖昧に感じたのだが、色々と他の著作を読み、古事記のことも調べた今では、系図のところはもちろん書かれる際の本筋の目的なのだし、物語の部分は各地方の民間伝承の反響として読めば想像が広がり、歌謡の部分についていえばこの部分こそが書かれた言葉に魂をこめる呪術的な要素として必須なのだということを知ることが出来、そんな視点で読むと何倍も味わい深くなる。
親しみやすい日本神話本。
いわゆる現代の口語文ではないのですが、明治大正期の小説が読める方なら、問題なく読めると思います。わかりにくい表現には注釈も添えられているので、大きな問題はないでしょう。
かえって、若年層向けの現代語訳で古事記を読むと面白くないだろうと思います。つまり子供向けには書けないような表現が多い。意外と直接的で、また、非常におおらかな神話だなあ、と興味深く読めてしまいます。
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