これまでのポップスやボサノバの要素を取り入れた
アルバムとは違い、これまでできなかった実験的な試みも
聞くことができる。アルバム自体はバラエティーに跳んだ
曲作りがされていて、全体的な統一感は感じられないが
後半になるにつれて、曲同士の緊張感があり
最後のSeven Samurai - ending themeでこれまでの緊張が解き放たれる
という構成になっている。
曲の印象はcoroはほとんどノイズで構成されているが、これが後編の曲のアプローチ
になっている。Ngo / bitmixは1960年代のフランスフィルムノワールを感じさせる
甘い優雅なピアノ曲。このアルバムには、デヴィット。シルヴィアンが参加しており
戦場のメリークリスマス以来(?)の甘い歌声も聴ける。
このアルバムには、いろんな意見があるが聞けば聞くほど
新しい音楽への意気込みが感じられる。
やはり、日本を代表する世界的な音楽家。
採譜されたスコアでは、どうしても含まれる微妙なニュアンスの違いが気になるが、耳コピはできないと人にはおすすめ。 よく見かける戦メリのピアノスコアは「Coda」バージョン。「1996」以降のアコースティック色がより強化されたバージョンを探していたが、なかなか見かけなかった。本書ではオフィシャル・スコアブックの名の通りアルバム収録曲が再現されている。インタビューで触れられているコードの変遷もなかなか興味深い。
エレクトロニカに傾倒したオリジナルアルバム『CHASM』を経て、
96年以降度々発表してきた自曲のピアノ・アルバムの04年版。
選曲基準は特に決まっていないらしいですが、ピアノアレンジの定番とも言える4.Merry Christmas Mr.Lawrenceから、
実験的で過激な音響処理が行われた2ndの『B-2Unit』に収録された8.Riot In Lagosまで実に多彩です。
今回のテーマは教授曰く“ゆるみ系”ということらしく、その言葉が特に現れているのが曲のテンポです。
別にゆっくりしているというわけではありませんが、楽曲の静けさを強調する部分では緩やかに、
クライマックスに向けて盛り上がる個所などでは力強くテンポアップしたり、
YMO時代にやっていたメトロノームのクリックに合わせて演奏するスタイルとは間逆の弾き方をしています。
そのテンポ感のゆるさがアルバム全体(といっても多重録音された8.などはクリックに合わせてますが…)
に和やかで感性豊かな雰囲気を醸し出しています。
また、完全なピアノソロというわけでは無くチェロやバイオリンといった弦楽器、
7.Undercooled - acousticaのようにカヤグム(琴のような韓国の伝統楽器)を使用したり、
MCスナイパーのラップなどにエフェクト処理を施しています。
個人的には前述の4.7.8.の他に、CMでおなじみの1.Asience - fast piano、
映画ラスト・エンペラーの挿入曲5.Rain、弾き語りのように教授自身の歌声が聴ける6.Perspective、
『1996』にも収録された感傷的な雰囲気が素晴らしい11.Bibo no Aozora(美貌の青空)、
尺八の響きが印象的な13.Seven Samurai - ending themeもとても素晴らしいと思います。
教授の10年前の作品でさえ、私はいまだに飽きることなく聴き続けている。それほど教授のポップ・ミュージックは強烈な強度をもっている。
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