・思い通りにいかない自分に苛立ち、苦悩する若者達を描いた青春映画。
・安藤正信の淡々とした演技と北野武の静かな演出もよく嵌っている。
・本当に怖かった頃の寺島進の凄みもすごい。
・この映画のオープニングはこれまでに観た映画の中でも最も好きだと思う。
・二人乗りの自転車で橋を登っていくがカメラは平行に追いかけたままで白いコンクリートを映し出す。
・やがてそこに浮かび上がるKids Returnの文字。
・映画を全て見ると、オープニングの漫才を観るだけでもそれが悲哀であったり、希望であったりで泣きそうになる。
・音楽もピリピリとした10代の感性とよく合っていた。
・以前に読んだ北野武のインタビューで、「自転車で校庭をグルグルと回るシーンを思いついて、それを実現させる為にストーリーを組み立てた」とか、そんな話をしていたように思う。
・だからなのか、全てのストーリーは一つのラストの一点に向かって描かれていて、映画のどこをとっても同じ空気が流れている。
・それは危うくて、脆くて、攻撃的で、打たれ弱い、十代の空気なんだと思う。
・十代というのは人が羨ましくて、自分が惨めな年代なのかもしれない。
・だから自分にも他人にも残酷になれる年代なんだと思う。
・映画全体に張られた伏線が一つ一つ実を結ぶ度に、何かが壊れていくような感覚がする。
・それが切ない。
・けれど、最後の最後で希望が見える。
・それが一番の救いだと思う。
・「俺たちもう終わっちゃったのかな?」
・「ばかやろう。まだ始まっちゃいねぇよ。」
安藤政信さんが「バトルロワイアル」、「赤影」の作品に対してどのような形で演じたかというのがとてもわかりやすくて良かったです。更に今まで出演したいろいろな監督がどんなところに魅力を感じているかコメントしているところが面白かったです。
毎号買わせてもらってます(^^)
なんといっても嵐の相葉がかっこよくて
いつもどきどきしてます♪
漠然としながらも、何かを成し遂げたい! 本作はそんな若者達のもやもやとした想いを吹き飛ばすかのような、 パワーみなぎる青春コメディの傑作である。 時代は1969年。舞台は長崎県佐世保市。 この映画を観る上で、この時代のこの土地がどんな様子だったのかを 知る必要は全くない。知らなくても問題なく楽しめるからだ。 服装や音楽、TVに映し出される映像など、ちょっとした所に 「あぁ、1969年はこんな時代だったんだろうなぁ…」 という漠然とした何かを感じることができればOKだろう。 まだ女を知らない、世間にも揉まれていない若者達がこの映画の主役だ。 妻夫木聡演じる主人公ケンと安藤政信演じるアダマが物語を牽引する。 いずれも高校生とはほど遠い年齢ながら違和感なく役にはまっている。 ケンを突き動かすのは「女にもてたい」、それだけである。 愛しのレディ・ジェーンに俺のことを振り向かせたい、その想いだけで 【跋折羅団】と称する決起隊を作り、学校をバリケード封鎖するなんて いう無茶をやってのける。まさにリビドーの塊のような男である。 一方のアダマは頭脳派タイプ。ケンのやることを冷静に分析しつつも ワクワク感は拭えず、一緒になって楽しそうにバカをやる。この二人の なんともいえない距離感が観ててスゴク楽しいのだ。 又、本作は脇役の選び方が絶妙である。 冒頭のシーンで、井川遥をピンク映画の女優に仕立ててしまう所などは 思わずニヤリとさせられた。他にもケンの父親役の柴田恭平や憧れの君 レディ・ジェーン役の太田莉菜などは登場シーンはさほど多くないものの 本作にとって必要不可欠な存在感を示している。 食わず嫌いはやめて、たまには邦画も観てみませんか? こんな素晴らしい映画、観なきゃ損ですよー
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