珍盤・名盤コレクション 河内のオッサンの唄
珍盤名盤ばかりである。恋の山手線、ありがたや、クスリルンバ、
私にはちょっと古いような気がするが。このあたりの歌は日本人にまだ心のゆとりがある時代の歌であったと思う。いわゆる宴会ソングだ。
ザ・ダーツのケメ子のうた。このあたりから反戦もののプロテストソングに変わってフォーク調のコミックソングがはやりだし頃だ。いんきんを歌った。しむたんきんい、そしてこのアルバムで一番の曲、小市民、嘉門達夫の詞とメロディが素晴らしい。
牧伸二のああやんなちゃった、大正テレビ寄席を思い出す。小澤昭一の、おれたちおじさんには、たぶん今の私と同じ年代だった頃の、小澤さんの歌だ。気持ちがなんとなく分かる。
野坂昭如のご存知、黒の舟歌、これは70年代の名盤である。
このアルバムは時代の巾がおおきく、ちょっとリスナーには絞りにくいかもしれない。最後の曲は入れないほうがよかったと思う。
文壇 (文春文庫)
この本は、高橋源一郎の「人に言えない習慣、罪深い愉しみ」所収の短い書評で知った。
いい本教えてくれて有難うゲンチャン。
これは、まず読みものとして最高。語られている内容に興味が尽きない。昭和文学史的なものを書く人にとっては、涎の出るような資料だろうし、ゴシップ的興味で読み込んでも有名作家たちのエピソード集としても堪らんものがある。あたかもサヴァン症候群の患者のごとく、想起する野坂は過去の事象を、その光景のごく細部まで、交わされた会話の一言一句まで、現前させてしまうのか。
さらに、雑文ライターから直木賞作家へと変貌(成長)していく過程での、野坂自身の心境、内面がてらいもなく吐露されているばかりか、創作の裏話、野坂文体の秘密まで包み隠すことなく披瀝されているのだから、こんなお徳な本はめったにない。
まったく羨ましくなる、互いに畏敬しあうような丸谷才一と野坂の関係についても、その一端が窺われる記述がいくつか。地方に文藝講演会で同道したヴェトナム帰りの開高健と女郎買いに出陣する話など、楽しくも沈思させられるようなエピソード満載です。
終戦六十年スペシャルドラマ 火垂るの墓 [DVD]
実写版を制作すると聞いた瞬間に「まずい」と思っていましたが、いざ見たらイチローじゃないけども「もう、やばいっすよ・・・」でした。特に節子役の女の子が本当に素晴らしい。日本のドラマや映画でこんなに上手い子役は久しぶりです。何故だかアニメにあったドロップの缶に水を入れて飲むシーンが無かったですが、あれがあったらもっと「やばかった」かも・・・ 松嶋奈々子のキャラ設定は原作やアニメを見ている方々からは賛否両論あると思います。戦時下と言う極限状態、そこを生き抜く為の非情の決断。多くの犠牲の上に成り立っている「今」を我々は一生懸命に生きる義務がある、という強いメッセージを感じさせて、私は成功ではないかと思います。あまりに哀しい作品は繰り返し見る事は苦手なのですが、この作品は「今」を生きて、我が子に「将来」を繋いでいくからには伝えていかなければいけないもの、そんな気がしています。
汚点・春は夜汽車の窓から (少年少女日本文学館)
井上ひさしさんの「汚点(しみ)」が好きです。
小学生の頃にはじめて読んで、感動して・・・
それ以来、何度読んでも同じところで涙を流してしまいます。
とくにラストシーン。
体中があつくなるのを感じます。