証(あかし)―永遠のシャウト
本書は昨年惜しくも亡くなられた永遠のロックシンガー・ジョー山中氏(2011・8・7逝去、享年64歳)が生前出版された自叙伝である。ジョーさんが亡くなって本日で一周忌を迎えるが本書を知るきっかけとなったのはTBSラジオ『小島慶子キラ☆キラ』〈2011・8・11 O.A.〉でプロ書評家・吉田豪氏が追悼を込めてジョー氏の挿話を語っておられた時に本書を知った次第である。
ジョー山中氏といえば角川映画『人間の証明』〈1977〉で物語のキーマンとなるジョニー・ヘイワード役とともに劇中のクライマックスに流れた主題歌『人間の証明のテーマ』が印象的であるが(私も本作はお気に入りであり)、他にも角川映画『戦国自衛隊』〈1979〉のエンディングに流れる『ララバイ・オブ・ユー』(ちなみに主演の千葉真一氏はこの曲が大のお気に入りで現在でも影で口ずさんでいると語っていた)や『劇場版あしたのジョー2』〈1981〉で矢吹丈のライバルであるカーロス・リベラ役(声優)や『明日への叫び』『青春の終章~JOE…FOREVER~』は『人間の証明』同様大好きな曲であり、名曲であると思っているので未見の方は是非とも試聴して頂きたい。
ジョーさんの生い立ちについては生前『いつみても波瀾万丈』〈1995・3・4 O.A.〉にゲスト出演された際に語っておられたのを拝見していたが、今回一読して改めてその凄まじさがよくわかる。七人兄弟の四男坊であったジョーさんが兄弟の中で自分だけ肌の色が違っていた事(その理由については本書に記載されている)や小学2年の時に母が他界し、児童擁護施設に引き取られた事など本来ならあまりにもツライ幼少体験であるが、特にその事について恨むべくもなく現実を受け入れるジョーさんの逞しさ(もしくは鈍感力)には頭の下がる思いだ。
また腕っ節の強さを見込まれ協栄ジムからスカウトされ、ボクサーデビューを果たすも無理な減量(『あしたのジョー』の力石徹状態に近い)がたたって挫折するもその後に運命を引き寄せるかのように偶然居合わせた喫茶店でバンドメンバーがジョーさんの風体を見てバンドに誘われ(それまで音楽経験が全くなかったというのも驚きだが)、現在のジョー山中の誕生するきっかけとなり(まるでマンガのような展開)、その後も栄光と挫折をその都度味わいながらも全てを受け入れ前向きに進んでいくのもジョーさんの人生の特徴だ。
読後感として生まれた時から(肌の色からして)他人とは違うと蔑まれてもその事を恨むことなく現実を受け入れていたジョーさんが結果的には現在の地位の転機となったのもその事が原因であるのだから人生は面白いものである。もし、ジョーさんがその事に終始囚われていたら現在のジョー山中が誕生したのはわからないが現実を受け入れていたからこそ運命を引き寄せた事はある意味必然かもしれない。
最後にその事を強く踏まえたジョーさんの一文が最も印象に残りました。
後悔は、瞬間、瞬間において信念に基づいた決断をしていないから生じるのだ。偶然の積み重ねである人生を、必然的な運命に変えるのは、本人の強い信念以外の何ものでもない。
レコード・コレクターズ 2011年 10月号 [雑誌]
編集長が交代したそうで、そのせいかどうかわかりませんが
SPコレクター岡田則夫さんが以前連載されていた「蒐集奇談」が再開しています。
ただ紙面の内容に先月までとの違いはいまのところそれほどありません。
ジョー山中さんの追悼で「フラワー・トラベリン」の特集やってますが
ピンク・フロイドをダラダラ長く載せるならジョーさんのソロアルバムのレビューをキチンと載せてほしかった。
(リストは載ってます。)
ソロアルバムって意外に知られていないと思うので。
個人的にビートルズ、ナイアガラの繰り返しにウンザリだったので
(まあCD再発の絡みで仕方ないのでしょうが)今後は新編集長に期待。
サトリ
この音楽に出逢って本当によかった。
元ビーバーズの石間ヒデキのラーガ奏法のギターと、ジョー山中の迫力あるヴォーカル。そして、和田ジョージのドラム、上月ジュンのベースと最高のメンバーが揃っていた。
皆、元GS出身という事だけあって、レベルが高く、独特の雰囲気が漂っている。
このアルバムは、MAKEUPに続いてフラワー・トラヴェリン・バンドの最高傑作だと思います。
あしたのジョー 2 ― オリジナル・サウンドトラック
1曲目の「『あしたのジョー2』のテーマ〜明日への叫び〜」を聴くために購入しました。
(※他のCDには収録されていないからです)
しかし、この曲のみならず他の曲も予想以上に良かったです。
1曲目だけで買う価値のあるCDだと思っていた上に他の曲も良かったので、勝手にお得感を味わっています。
アニメ版『あしたのジョー2』の後半(ハワイ遠征辺りから)に使用されているBGM曲も何曲か収録されています!
劇場版『あしたのジョー2』でも使用されていますが、アニメ版『あしたのジョー2』の方がより親しみがある私としては、収録されていて嬉しい限りです。
『あしたのジョー2』の楽曲は全体的に大人っぽいので、部屋でBGMとして聴くのもおすすめです。
また、アニメ版『あしたのジョー2』の後半のOPで流れている、荒木一郎氏の『Midnight Blues』のアレンジ版が収録されていたことに感動しました。
あしたのジョー ソングファイル
素晴らしいの一言です。
あしたのジョー。 物語も素晴らしいのですが、使用された歌もいい。
それらの歌のだいたいが収録されています。
「あしたのジョー」
歌手がテストの時に歌詞をど忘れして「るるる・・・」と誤魔化したら
「そっちの方がいい!」と採用されてしまったというエピソードが残る一曲。
ラストの
あしたは どっちだ
はシビれますね。
「美しき狼たち」
大好きな曲の1つです。
1番の
足をくじけば 膝で這い 指をくじけば 肘で這い
涙のつぶだけ たくましく 傷ついて しなやかに
はとても大好きなフレーズです。
また2番の
あいつには 言葉は いらないさ 黙っているだけで心がかよう
の辺りを聞いていると、ジョーが力石の控え室に呆然としてやってきたシーンを
思い出させます。(実際にそこで使用されたので)なんとなく泣きそうになります。
なんとも物悲しいメロディーが、唯一無二の友だった力石を自らの手で殺してしまった
ジョーの悲しみを訴えてきます。
「KO(ノックアウト)
美しき狼たちがジョーの絶叫と共に終わり、EDのKOが流れ出します。
ブルースとでも言えばいいんでしょうか。
なんともいえない物悲しさがとてもいいです。
「傷だらけの栄光」
TV版あしたのジョー2 主題歌
光ってない TONIGHT!
音韻を踏んでいるのがすごくカッコよくて、歌いやすくて、とても印象に残りました。
また歌詞もあしたのジョーをよく表現しており、とても素晴らしい曲です。
いやぁ、この歌ずっと探してたんですよねぇ。
「青春の終章(ピリオド)〜JOE…FOREVER〜」
あまりにも有名な真っ白に燃え尽きたジョーをバックに流れる名曲。
Hey Joe I'll remember Joe I'll remember
I'll remember you forever
歌詞の大半が上の2行です。
ジョー、私は君を忘れない。 私は永遠に君を忘れない。
いや、本当にそうです。
・・・素晴らしい一枚です。
でも、劇場版あしたのジョー2主題歌が入ってないのはナンデダァァァッ!!!
ああああ!!「美しき狼たち」の次ぐらいに好きなのに!!
ジョーの生き様を見事に表現した素晴らしい曲なのに!!!
それだけに残念無念です。
・・・が、それぐらいしか文句のつけようもなく、他が素晴らしすぎるので
星5つあげちゃいます。
軽いPOPに飽きたという人。アニソンだって敬遠せずに買って聴いてみてください。