火星年代記 (ハヤカワ文庫SF)
【概要】
1950年発売のレイ・ブラッドベリの最高傑作。
内容はSF×幻想×ホラー×風刺など色んな要素が混ぜこぜの連作短編集。
第一章「ロケットの夏」、第二章「イラ」などを読むと「すごい詩的な幻想小説だなあ・・」ときっと思うでしょう。
しかし次の章の「地球の人々」ではガラっと印象が変わって「なんだこのブラックユーモア小説はww」ときっと思うでしょう。
んでもってその後の「月は今でも明るいが」になると「なんだ・・このガチンコ小説は・・・」と、どんどん目まぐるしく内容が変わっていきます。
タイトルや表紙だけじゃ内容が想像しにくい小説。
ほとんどの章が30ページ以下で読みやすいので、とりあえず読んで欲しい。
【注意】
解説には「26のオムニバス短編」と書いてますが話がちゃんと最初から最後までつながってますので、順番に最初から読んでいったほうがいいです。初めて読む人は短編集というより長編を読むという心づもりの方がいいかも。
(ただ長編よりは全然読みやすく構成されている)
【新版になって変わったところ】
収録作が若干変更されています。「空のあなたの道へ」が「荒野」と差し替えられて、「火の玉」が新たに加えられています。
しかし荒野も火の玉も既刊の「太陽の黄金の林檎」「刺青の男」から持ってきたモノです。
他のすべての収録作も「新訳」と言うわけではなく、旧版を所有してる人はそんなに新鮮味はないかもしれません。
あとは年代が1999年から2030年に変更されたのと、ブラッドベリの序文が追加されたぐらい。
(もちろんすべてブラッドベリの意向)。旧版を持ってる人はそこらへん注意。
ホルスト:惑星
現代音楽の中で最もポピュラーな作品の一つとされるホルストの『惑星』。数ある録音の中で個人的に最も気に入っているのが、この小澤征爾指揮・ボストン交響楽団演奏の1枚である。
これまで聴いた他の指揮者・オーケストラによる録音に比べ、テンポは全体的に速め(かつ伸縮自在)で、特に低音とリズム感が強調された線の太い演奏という印象を持った。重苦しい緊迫感に満ちた第1曲『火星』の冒頭から始まり、この部分だけでも独立した1個の名曲として扱われている第4曲『木星』の中間部のメロディー、第6曲『天王星』での金管の咆吼に打楽器の乱打と、時には叙情的、時には幻想的、時にはダイナミックでメリハリのきいた演奏は、難解さもなんのその、現代音楽が苦手なクラシックファン(私自身もどちらかと言えばそう)にとっても、理屈抜きに楽しめる内容となっている。
名演、と言って良いと思う。ただ一方で、こうした、あくまで小澤征爾個人に帰結させるべき解釈や演奏スタイルに対して、軽々しく「日本」を持ち出して論じたがる空気があることには、ひとこと苦言を呈しておきたい。例えばズービン=メータの演奏を、安直に「インド」と結びつけるメンタリティと同じですよ、それ。
暗闇の悪魔 大頭人の襲来 [DVD]
ポール・ブレイズデルがデザインした多くのモンスターの中でも「金星ガニ」と人気を2分する「大頭人」が遂に出ましたね。彼のモンスターの多くに共通する科学的考証で裏付けられた造形(*)、そして怖い怪物の筈なのに、どこか愛嬌のある顔はここでも健在です。これはファンなら買うしか無いでしょう?・・・牛のシーンは私は覚えていませんでした。(^^;
*「金星人地球を征服」では高重力の惑星から来たと云う事を配慮し、当初は背の低いデザインだった(女優に馬鹿にされたので急遽丈を稼ぐ頭を付けた)。
*「恐怖の火星探検」では大気が薄いと云う事で、呼吸器(鼻や肺)の大きなデザインとなっている。
*本作では、光の弱い星と云う事で目がデカイ。