東方香霖堂 ~Curiosities of Lotus Asia.
原作STGをクリアはせずとも一通りプレイした者です。
東方初めてな方でもそれなりに楽しめると思いますが、多少キャラクターでも知っていると、より楽しめるのではないでしょうか。
紅魔郷、妖々夢、永夜抄あたりのキャラしか出てこないことに、時代を感じる一冊。
求聞史記で東方のキャラを知り、香霖堂で幻想郷を知る。
公式設定を知るとともに、香霖の嘘か真かな蘊蓄も面白い。
挿絵の絵師が統一されていることも好印象でした。
文章の背景が古紙っぽい表現で、普通の本より読みにくいとも感じましたが、困るほどではないです。
それにしても……霊夢に魔理沙、香霖堂にお邪魔し過ぎである。
[同人PCソフト]東方風神録 ~ Mountain of Faith.
のちに地霊殿、星蓮船、ダブルスポイラーと続く、東方新シリーズの1発目の作品です。
使える自機は霊夢、魔理沙の2人のみで各3装備ずつの計6機体。
自機のボムはこれまでの作品のスペルカードではなく霊撃と呼ばれる使い勝手のいい普通のボムで、
Power4以下からは霊撃を1発使うと自機のまわりに付いているオプションが1つ減ります(パワーダウンします)
霊夢と魔理沙でやや霊撃の出方が違うこと以外は基本同じです。
道中の敵の配置を覚えて、安定してザコを倒せれば倒せるほど、
撃てる霊撃の数にも直接関わってくるパワーアップアイテム(赤のP)がザクザクと手に入ることとなり、
道中、ボス戦と霊撃を遠慮なくガンガン使えるようになります。
この理由からボス戦はクリア重視なら比較的短期決戦で行けます。
その反面、ボスの弾幕自体は高難度で、下手に避けに行くと霊撃の抱え落ちもしやすく、
死にたくなければ霊撃で押して行けというゲームバランスはかなり大味な感もあります。
グレイズで点を稼ぐといった上級者向けの要素も一切廃止され、新規のプレイヤーを意識した感じの作りでとにかくシンプル。
これまでの作品同様にノーマル以上の難易度でクリアするとプレイできるエクストラステージもシリーズの中では易しめです。
他の作品のエクストラがクリアできないという人でもこれはクリアしやすいのではないでしょうか?
田舎の秋をイメージしたさわやかなステージや明るい雰囲気のステージが多い中、
ショットとボムでサクっとプレイするテンポの良さが特徴でしょう。
ボスの弾幕は妖々夢や永夜抄のような色のカラフルさや派手さはないものの
ズッシリとした和風のイメージでこれがゲームの世界観とマッチしていますし、
音楽も相変わらずステージとの一体感が感じられて素晴らしいです。
ステージ道中のグラフィックも東方の作品の中でもかなり綺麗だと思います。
東方文花帖 ~ Bohemian Archive in Japanese Red
東方のゲームを遊んでいても、登場人物の会話の意味が分からない事がよくあることかと存じます。
そんな疑問を埋めるにはもってこいの書かと。
ZUN執筆の『文々。新聞』を読んで、異変やメインキャラについて理解を深めるも良し。
随所に散りばめられたマンガを読んで、お好みのキャラに萌えるも良し。
ZUNによる、ゲーム中にかかる曲のエピソードに感心するも良し。
付属のCDで東方音楽を楽しむも良し。『花映塚』の体験版を試してみるも良し。
インタビューを読んで、ZUNのゲーム観について学ぶも良し。
買って良かったと素直に喜べる本です。
[同人PCソフト]ダブルスポイラー ~ 東方文花帖
見た目はシューティングゲームっぽいですが、ショットをガンガン撃って攻撃するシューティングゲームではなく、
プレイヤーは新聞記者「射命丸文」となり、カメラを縦横切り替えながら弾幕をかいくぐって敵に接近したりして、
キレイな弾幕と敵が一緒に写っている写真を一定枚数撮るといった感じのゲームです。
登場キャラクターは主に東方風神録、地霊殿、星蓮船のボス、中ボスがメイン。
風神録ではスペルカードを持たなかった「犬走椛」も登場します。
何回もやられながら、弾幕の仕組みを理解したり、
楽なやり方を見つけたりしてクリアを目指して行くことになります。
こういったあたりに楽しみを感じられる人ならハマれます。
ボス戦のみの弾避けゲームで普通のシューティング好きにはまったくオススメできませんし、
東方シリーズをプレイしている人ですらゲーム性的に好き嫌いがはっきり分かれる作品かと思われます。
ステージは別に順番通りではなく、クリアステージ数などの条件を満たして行けばある程度は飛ばして先のステージに進むことも可能で、ステージ数は100以上あります。
また条件満たすと新キャラも使えます。
東方求聞史紀 ‾Perfect Memento in Strict Sense.
九代目御阿礼の子、稗田阿求が著したとされる「幻想郷縁起」を再現した、まさに東方ファンなら是非とも一冊、な設定資料集です。
新作、東方風神録での人気振りを拍し、新たに同人ソフトの可能性を見い出し、今やこの業界では「ひぐらしのなく頃に」と肩を張る「上海アリス幻樂団」による弾幕STGゲーム、「東方Project」。
製作者はただ一人。ZUN氏のみという、この完成度からは信じられないゲームです。(特に音楽が…
本来流行らないSTGゲームという形なのに、これでもかと言わんばかりに個性的なキャラクターや世界観構築に尽力をされているのが読めばすぐに解るはず。
執筆関連は全て原作者ZUN氏が執筆しているため、まさにZUN氏の本とも言える一冊。
昨今の人気の急上昇と共に、幻想郷やそのキャラクターたちに興味を持たれる方も増えつつあるようです。
基本的にあまり企業展開はしていないため、現在では、東方に関する企業本はこの「東方求聞史紀」と「東方文花帖」しかありません。
しかしながら、実際に読んで見ると、堅苦しい設定資料集ではなく、ところどころ笑えるような注釈が楽しいですね。
東方ファンならまず手にとる一冊。買って損はしないはず。