尾崎紅葉の「金色夜叉」 ビギナーズ・クラシックス 近代文学編 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス 近代文学編)
熱海の海岸で貫一がお宮を蹴り飛ばすシーンで有名な日本文学の名作で、一度は読んでみたいと思いながらも、明治時代に文語で書かれた原作を読み通すのはなかなか大変ですが、本書はその入り口として最適です。
原作から重要なシーンが抜粋されて、それぞれについて原文(総ルビ付き)と現代語訳と解説が書かれていて、さらに文化的な背景に関するコラムがいくつか掲載されています。
本書を入門として作品の概観や背景をつかんでおけば、さらに原作へと進んでも、ずいぶん読みやすくなります。
三人妻 (岩波文庫)
尾崎紅葉の作品(『多情多恨』、『金色夜叉』もそうでしたが)を読んだ後は、
実においしい料理を食べた後のような満足感・幸福感にひたることができます。
(とはいいながら『多情多恨』のところではイライラさせられたとレビューし
ている私ですが・・・まあ大満足です、はい)
この『三人妻』もそうでして、なんといいますか、「いいものを読ませてもらった」
という満足感に浸れる作品でした。
なんとこの作品は紅葉が26歳の時の作品なのです。紅葉の教養の高さといいますか、
奥深さに感心せずにはいられません。実に豊穣な作品です。
明治20年代に26才の尾崎紅葉が描く、お才、紅梅、お艶の三人の女性の人物像が
興味深いですし、大富豪葛城余五郎がそれぞれの女性を口説いていく”作戦”はおも
しろく読み応えがあります。
文体は言文一致体ではありませんし、文語体ですが、露伴や一葉を読んだことのある
人には楽に読めると思います。
金色夜叉(通常版)
あまりにも有名過ぎ、かつベタなクライマックスに、笑いを堪える覚悟で購入しましたが、いざ、聴いてみると、笑いどころか、胸締め付けられる心持ちで、終了しました。
諏訪部さんの朗読の力もさる事ながら、文語体の言葉の美しさに魅せらました。
絵で読むあらすじ日本の名著―1話5分で名作が読める!
先ほど読み終えました!
ゆるいイラストと、読みやすくておもしろい文章が、やみつき!!
今までの他のあらすじ本とは全く違う。
文章自体におもしろみを感じるし、絵が笑える。
それなのに、しっかりと感動したり、考えさせられたりする。確かに名著。
あらすじを知っておきたいから読むという本ではなく、
おもしろいから読む本。
本当におもしろい!!
世界版も出てるので、これから注文します!