抗うつ薬は本当に効くのか
「なぜうつ病の人が増えたのか」を読んで、抗うつ薬についての疑問が出てきましたので、この本も読んでみました。結論としては、坑うつ薬は効かない事はないが、プラシーボとほとんど差が無い、という事のようです。そもそも、「うつの原因は脳内での化学物質のバランスが崩れた為」という今まで聞いていた説ですら、科学的な根拠に欠けるとなると、何を信じたら良いのか、分からなくなります。前述の本と併せて読むと、簡単に薬に手を出すのが怖くなりました。
私自身がうつになった場合は、認知行動療法から始めたいと思います。ちょっと内容が堅い本ですが、しっかりとした事実を知りたいという人に、お勧めしたいです。
The Emperor's New Mind: Concerning Computers, Minds, and the Laws of Physics (Popular Science)
As opposed to what the title suggests, the bulk of this book is devoted to describing the foundations of the modern physics and computing. I was immensely fascinated by the accounts on the important subjects like classical mechanics, special relativity, general relativity, Turing machines, introductory quantum mechanics, artificial intelligence, etc. A fundamental difference between ‘A brief History of Time’ (Hawkins) and this book is that while the former skims over the theories needed to build the case of the book, this does a very thorough job of describing them. Of course this approach has its price, namely the mathematical complexity. Even though the author suggests skipping the mathematics and reading on if the reader is unfamiliar with the subject, I feel such reading will hardly do the justice to this fine book.
The recommendation: If you know basic mathematics like interpreting a simple equation (involving exponents, logarithms, etc.), a bit of probability, etc. and the willingness to learn more, this is an excellent book for you. However, if you simply cannot withstand equations among text and are determined to avoid them at all costs, perhaps this is not the book for you.
The ultimate message of the book, namely the proposition that the process of human thinking is related to quantum mechanical effects of matter did not sound very convincing to me. Perhaps this is not an accident, for the author state facts in the parts dealing with various scientific principals and is speculating at the stage of this proposition. My advice: Don’t worry about this part. If you understand and are convinced -- good! If not: Still you’ve got your money’s and time’s worth by understanding the basics of modern science, in a comprehensive manner.
EMPEROR OF ALL MALADIES
私がこれを読んだのは、medscapeという がん関係の医療従事者向けの情報サイトでした。
Bruce Cheson という血液腫瘍学の大御所が、「夏の読書におすすめ」と、この本を紹介していました。
英語の文章は読みやすくはあるのです。
さすがピューリツァー賞。
がん関係の記事や論文は普段から読んでいるから単語とかは大丈夫かな、と思ったけれど甘かった。
格調高く日常会話では使わないような、初めてみるような単語も多いように思いました。
むしろ、論文よりも、知的な洋書を読み慣れた方が手にするべきものかもしれません…
邦訳の話はあるのでしょうか。ぜひ、出してもらいたいものです。
この題名を、何と訳されるのか、楽しみでもあります。
内容は、知的でエンターテインメント性あふれる、「がんの歴史案内」です。
がん患者さんが自らの治療選択に役立てるための最新情報、などはまったくないですけど、
「がんという病気の全体像」を、自分なりの仕方でつかむことはできるかもしれません。
がんという現象について知りたいと思っている方に向けた、最高のパンフレットです。
トピックごとに区切りがあるので読み飽きることもありません。
(ホルモン補充療法と乳がん罹患率の関係についてですが 横ですみません。
Lancet 2003 の英国のHRT後ろ向き調査では、プロゲステロン併用よりはましだけれど、
エストロゲン単剤でも有意に乳がん発症が増しているので…
やはり関連はあると見るのが現在のコンセンサスのように、私は思います。
私は内科医なのですが、業界ごとにコンセンサスが少し違うのかもしれないですね。)
ラストエンペラー コレクターズ・エディション [Blu-ray]
日本版の予告編まで入れるほどの仕様ならば、
是非とも日本語吹替え音声を入れて欲しい所です。
今年もザ・シネマで延長枠の吹替え版が放送されていましたが、
4:3サイズでの放送だったので、シネマスコープで吹替え版を見たいと思っている人も多いと思います!