空と海のであう場所 (ポプラ文庫)
年齢に関係なく、たとえ未熟な恋愛でも、本気で恋したことある人なら、心に染みると思います。私は、心の奥、在りし日の恋愛の思い出にずっぽりはまりました。愛した人はいつも、心にいるんです。
欲しいのは、あなただけ (新潮文庫)
文学的価値とか、難しいことは一切考えなかった。ただただ心理描写に圧倒された。女はこういうものだと、言葉にはならないけれど薄々はわかっている。この小説は、そこに教条的なものは何にも感じさせないところが凄い。ただ、そういうものだよと受け入れさせる。
命とか出生とか病気とか犯罪とか、そういう舞台装置であざとく盛り上げるのが「物語」であり「小説」になりがちな昨今、きちんと心理に肉薄している小説は、ケータイ小説よりスピーディで面白いと証明してくれている。「次はどうなるんだろう?」と興奮を掻き立てられ筋書きをなぞらされ粗筋を知ることが小説の面白さじゃないんだ。
@(アットマーク)恋愛 match.comではじまる4つのラブストーリー
日向蓬さんのファンで、作品が収録されていると知り買いました。
世界最大級のマッチング(=Webお見合い)サイト「match.com」が
きっかけで恋が芽生えたお話という設定上、
うまくいかないはずがない(笑)恋愛物語4遍のアンソロジーです。
コレを読むと、“出会い系”といぶかしがってしまう抵抗感は薄れ、
なるほど、効率的なシステムかもと思ってしまいます。
4人の作家の個性と料理の仕方が見えて、面白く読めました。
日向蓬さんは、お相手の人からのアプローチが胸を打ち、
小手鞠るいさんは、二人が待ち合わせる方法が粋で、
藤本ひとみさんは、不倫の恋の終わり方が身につまされ、
横森理香さんは、写真と実物のギャップの描き方にニヤリとしました。
特に横森さんの作品のヒロインの悩み事にリアリティがあって、
すんなりと腑に落ちる終わる方も心憎かったです。
恋愛小説集として、また@で始まる恋の見つけ方の参考書として一読の価値有りです。
でも女子にそんなにメールが殺到するなら、やってみたいかも(笑)
エンキョリレンアイ
確かに、ありえないって思いますが、「こうあってほしいな、人生」って思いました。現実はこんなんじゃないって知ってしまった今、あらためてピュアな気持ちを賞賛します。
海晴(エンキョリレンアイ相手)、かなり理想的過ぎますが、確かにB型っぽい、なんてディテールにもうなづいてしまいました。
男性にも是非読んでもらって、乙女心を理解してほしいけど、理解できる人は少ないだろうなあ。