ルネサンス時空の旅人『聖なる都アッシジ物語』 [DVD]
「ルネサンス時空の旅人」シリーズの1巻である。
タイトルは「聖なる都アッシジ物語」となっており、アッシジの町と教会を存分に紹介してくれるものと期待したが内容は少し異なる。
実際は「アッシジが育てたイタリア中世の画家ジョットーの生涯と作品」というべきであろう。そう思って見ていただければ内容は質実ともに充実している。
ただし、お値段は随分高いですね。損保ジャパンがスポンサーとなって日本テレビが制作放映したものであることを考慮するともっと入手しやすい価格設定にすべきではなかろうか。
時空旅人vol.4 「昭和怪物伝」 2011年 11月号 [雑誌]
まず、表紙の渋さに惹かれた本。シンプルながら力強いデザインもよいが、本書内に書かれている昭和の怪物・傑物達の顔ぶれが、バラエティーに富んでいて面白い。
昭和の時代を彩った怪物たちについて、どんな事をしてきたのか、大雑把に知るためには良い本だと思う。
本の冒頭を飾るのは田中角栄。印象的なのは「人通りの少ない新幹線駅前に立つ田中角栄の銅像」の写真だった。
田中角栄の功罪の一つを物語る写真かもしれない。各人物の本文も読みごたえがあるし、写真も豊富。
怪物たちは、「政治」「軍」「学問」「文化」「経済」「時代を変えた昭和人」のジャンルで区分けされている。
取り上げられているのは、
宮本顕治、石橋湛山、吉田茂、岸信介、山本五十六、板垣征四郎、香川綾、湯川秀樹、糸川英夫、岡本太郎、三島由紀夫、寺山修司、円谷英二、手塚治虫、黒澤明、正力松太郎、中内功、井深大、北一輝、美空ひばりetc
「原子力の父」正力松太郎についての記述は、興味深い。
雑誌の割には広告も少なく、良書だと思った。
時空旅人別冊 「言霊【ことだま】」 2011年 12月号 [雑誌]
言霊というキーワードをテーマにいろんな切り口で書かれた本。
雑誌の別冊ですが、広告までもイメージが統一されており保存版にしたいなと思わせてくれました。
まず本を開けると南海鉄道の広告ですが写真もきれいな高野山、でページをめくると高千穂峡の写真に続いていくので、思わず旅行に行きたくなりました。
全体的に記事の写真がきれいな上、美しくレイアウトされているので見応えあります。
第一章には、詩、日本人に馴染みの深い短歌・俳句・川柳や、百人一首、宮沢賢治、遠野物語、松尾芭蕉、そして能についても。
第二章には、現代的な観点で13の名詞について考察されてたり、哲学者の言葉と、哲学にまつわる博物館や場所など。
第三章は、方言に対する考察、流行語、専門用語、外来語の分析、報道の言葉(時事ネタ)、いろんな本の紹介(ちょっと写真が荒いのがあり残念)、東京の公園など。
第四章には、般若心経、寺が出てきたり、サンスクリット原文がでてきたり、写経のすすめが書かれてたり。体験寺修行の案内もあります。最後は、恐山のイタコの話。
読みごたえがあります、一個人が好きな方にはおすすめ。
標準語では訳せない外来語にぴったりの方言のところはなるほどなぁと思いました。あと、状態を表すのに標準語より方言のほうが一言で表せたりたりとか。
Sincerely~MARIYA TAKEUCHI SONGBOOK~
竹内まりやの曲を有名な海外アーティストがカヴァーした珍しいアルバムです。2002年に発売されたのですが、今は廃盤になったようです。それでも少し感想を述べさせてもらいます。
竹内まりやの1980年代のヒット曲、それもメロディラインの綺麗なバラードを中心にカヴァーしています。海外アーティストは、リタ・クーリッジ、ロバータ・フラック、ボビー・コールドウェル、ポインター・シスターズ、ティファニー、リチャード・マークス、ローラ・ブラニガンという懐かしい顔触れが並びますし、今は本国でどの程度評価されているのかは分かりませんが、一時代を築いた偉大なポップス・シンガー揃いであるのは間違いありません。歌唱は立派ですし、真摯に曲の特徴を捉えて上手く歌っているように感じました。
確かに竹内まりやの曲ですが、軽く聞くとA.O.R.の名曲かな、と思えるような大人のムードをもったアレンジが特徴になっています。日本人のアレンジャーですが、サウンドの創りは巧みで上手く仕上げられています。
個人的には、竹内まりやの歌唱の味わいや原詩の良さが隠れてしまうこともあって、このアルバムを手放しで評価することはできませんが、聞き馴染みのある曲が新しい革衣を着て登場しているわけで、乙なものと言えるのかも知れません。ドライヴの友にはなりそうですし、名曲はどのようなアレンジをしても光るという証明かも知れません。
それより、「Killing Me Softly with His Song(やさしく歌って)」のロバータ・フラック、A.O.R.の代表のように捉えていたボビー・コールドウェル、リタ・クーリッジなどの声に久しぶりに接することができたのは収穫と言えるでしょう。