変愛小説集
『「変」愛小説集』と言うタイトル通り、恋愛を扱ったアンソロジーですが、対象や設定が突飛で、確かに「変」の字を当てたくなるアンソロジーです。
しかし、編者も言っている通り、設定や対象が「変」でも、そこに描かれている感情は非常にピュアなものがあります。だからこそ、普遍的な「恋愛」小説として読むことが出来るのでしょう。
編者がこのアンソロジーを編んだ意図も、その辺りにあるのではないでしょうか。
今や食傷気味の「純愛小説」群には反発もありますが、このピュアな「恋愛」感情には全く嫌みがありません。むしろ、その一途さに惹かれるものがあります。
個人的には、この中では相対的に最もまともなラストの『母たちの島』が面白かったと思います。
戦争と言う極限の中で、女たちの島にやってきた兵士。
そして、その後に残ったものは・・・。
結果として残された娘の目を通して暴かれて行く過去は、母達の歓びと悲しみの混じり合った複雑なものです。更に・・・。
非常にユニークで面白いアンソロジーでした。
SING A SONG
活動休止明けで出した初のオリジナルアルバム。
以前までの彼の曲はシングル曲で良い曲がたくさんあったが、アルバムとしては何度も聴きたくなるようなものはなかった。
アルバムのコンセプトがはっきりしていて「歌を歌う」という原点に戻り、シンプルなサウンドで彼の歌声を最大限に強調しているように思える。
特にラストの曲、「Fellow」はギター1本で奏で、声で勝負しているまさに男の歌である。
捨て曲は1曲も無いので買って損はない。
福山雅治のキャリアで渾身の最高傑作と自信をもって言える。
小学生のための音楽劇・物語集 スーホの白い馬 斉唱版&合唱版/|魔界とぼくらの愛戦争
先日子どもの生活発表会を見に行ってきました。そのときの発表曲が「このスーホの白い馬」で、ときには元気の出る曲が、ときには美しくも悲しい曲が物語の展開とともに進行していくのですが、全体的にメロディアスで親しみやすく、こちらも思わず口ずさんでしまいたくなるような曲です。
発表会が終わり帰宅してからも、興奮冷めやらぬ様子で子どもがまた歌い始めるのを見て、これなら買うしかないと思い買ってあげました。今では子どもの大のお気に入りになっています。
ありのままの僕ら メイキング オブ 愛の言霊 [DVD]
本編が素晴らしかったので、もっと2人が見たくて購入しました。
齋藤さんとの初めの対面の後、退室した徳山さんがカメラに向かってこっそり宣言するのですが、きっとその言葉にも言霊が宿ったんだろうなと思いました。
こちらのカメラの前での2人も素敵。笑顔が多くて感じがいいんです。
クランクアップに向けて打ち解けていく様子も微笑ましい。本当に仲良さそう。
本編での2人でいるシーンがすごくバランスが良くて奇麗だったのは、徳山さんの減量があったからだろうし、作品に対する2人の空回りしない意気込みが随所に感じられました。
僕らの歌は弁当屋で生まれた・YELL (オープンブックス)
沖縄のある田舎町でおこった奇跡の物語。全編に散りばめられた奇跡的で温かい逸話。何回も読み返しては泣けてしまい、電車の中では読めません。特に好きな逸話は、ステレオポニー誕生の経緯です。ベースのNOHANAさんが中学生の時に"あじさい音楽村"の存在を知り、一人で沖縄に住むことを決断し、仲宗根さんをはじめ、周りの方々がサポートした事や、ボーカル/ギターのAIMIさんが中学生で、ライブの観客だった時の映像を見ただけで、仲宗根さんがインスピレーションを感じてスカウトし、"あじさい音楽村"に迎え入れる逸話が良いです。きっと、あじさい音楽村から巣立ったミュージシャンには仲宗根さんの魂が常に宿っているのでしょう。この書籍の表紙は、現行の阿部寛さの表紙も良いですが、私はAIMIさんがモデルだった時の表紙のほうが良いかな。