Mahler: Symphonies Nos. 2, 4, 7 & 9; Das Lied von der Erde; Lieder
クレンペラーのマーラーの交響曲は、曲を超えていると思えるほどの名演奏で、恐ろしくなるほどですが、
日本盤CD(LPも)で聴く限り、音が固く雰囲気に乏しく、録音に恵まれないな、と長年、残念に思ってきました。
ところが、今回入手したフランス制作の6枚組(EMIにあるクレンペラー指揮の演奏の全て・2,4,7,9番と大地の歌、クリスタ・ルートヴィヒによる歌曲)の音のよさには、正直、度肝を抜かれました。
きめ細やかで、明晰、響きが豊かで、ナマナマしく、同じ音源?と疑うほど日本盤(HS2088のハイビット盤)とは差があります。
低域の量感が多めなので、サブウーハーの音量は下げて再生していますが、オーケストラも声のナマっぽい美しさも唖然とするほどです。
これは、売り切れる前に買わないと損です。しかし、この価格はどういうこと?安すぎです(笑)。
(なお、音質は、輸入大型SP、SACD、アンプとも真空管出力のオーディオの他、国産の中型装置でも確認)
マーラー:交響曲「大地の歌」
ワルター、ニュウヨークフィル、ウィーンフィル、テンシュテット、シノーポリ、色々有る演奏を気分に応じて選びわけているが、ここの所はクレンペラーのこれがお気に入り。細かい事は考えず楽しんで聞ける一枚に推奨。どっぷりとマーラーの世界、もっと深く言うなら人柄まで堪能できる様な一枚。聞かせてあげたかった!
マーラー:交響曲第9番・第10番・大地の歌 [DVD]
マーラーの作品を十八番にしているバーンスタインではあるが、その中でもこのDVDは凄すぎる!!!
ことに9番の演奏は、まさに入魂の指揮ぶりで、オーケストラと一体となった名演だと思います。
最近の指揮者の中には、汗もかかずにクールな指揮をする人もいるが、やはり人の心を揺さぶるのは、ここで見られるバーンスタインのような熱のこもった指揮ではないでしょうか。バーンスタインの感情や精神がマーラーの曲に見事に反映されている演奏です。
映像そのものは古いものなのでクリアなものとは言えませんが、マーラーの9番のDVDとしては最高のものだと確信しています。
Mahler: Das Lied Von Der Erde
データ欄に Deutsche Harm Mundi と書いてありますが,Sony Classical レーベルです.
70年代のバーンスタインの「大地の歌」は,映像ソフトと同時期の録音です.音は,鮮烈とはいかないまでも十分な品質だと思います.
この曲は,要は,管弦楽伴奏歌曲の拡大版ですから,歌手のできが重要です.わたしにとっては,クレンペラー盤のヴンダーリヒとルートヴィヒが最高ですが,ここでのコロとルートヴィヒの歌唱も,声をとっても表現をとっても,水準を数段抜くものです.バーンスタインの要求する猛スピードから,しみじみとした告別まで,ルートヴィヒは,依然として第一級の歌唱です.コロは,とくに管弦楽に埋もれがちになる冒頭楽章でヘルデンテノールの強さをみせているのがうれしい.この曲は,このように始まらなければ面白くないと思うのです.
バーンスタインは,ニューヨーク時代の若々しい直線的(といってもバーンスタインはバーンスタインなんですが)な演奏から,表現が極端,あえていえばエキセントリックな傾向になりつつある頃にあたります.晩年には,よかれあしかれそれが徹底されて独自の魅力となるわけですが,一般的には,このころは過渡期としてあまり高く評価されないようです.確かに,「大地の歌」についても,(独唱にバリトンを起用した点で評価が分かれるものの)芳醇な響きの横溢するヴィーン・フィルハーモニーとの録音の方が上だという意見があって,それももっともだと,わたしも思います.しかし,「バーンスタインの」マーラーを聞こうとする者なら,わたしと同様に,ちょっとよそ行きのところがあるヴィーン版より,縁の深いイスラエル・フィルハーモニーに名歌手を配したこの演奏に,バーンスタインに近しいような感触をもつのではないでしょうか.
Das Lied Vonder Erde Live 1952
解説によると、有名なデッカ録音(1952年5月15~16日)の翌日(17日)ムジークフェラインザールで演奏された「大地の歌」のライブ録音とのことです。メンバーは同じくパツァーク、ワルター、ウイーン・フィルですが、ライブならではの緊張感が加わり、フェリアーの最後にして至高の「告別」だと思います。